――筆者のマーコス・クーナラキス氏はフーバー研究所の客員研究員でNBCラジオの元モスクワ特派員。「Freedom isn’t Free: The Price of World Order(自由は無料ではない:世界秩序の代価)」の著者 *** ほとんどのロシア人はウクライナ侵攻をめぐり西側諸国が科した経済制裁の影響を受けていない。だが、ウラジーミル・プーチン大統領に真の政治圧力をかけるために、米財務省ができることが1つある。それは、ロシアで100ドル紙幣の流通と利用を直ちに停止することだ。 ロシアでは庶民も富裕層も、ルーブルを退職基金で運用するよりも、ドルに交換して自宅に保管することで生活資金を守っている。ルーブルのボラティリティーと米ドルの安全性・安定性を映して、ドルは好ましい貯蓄手段となってきた。ロシア人が好む紙幣は長年にわたり100ドル札だった。2019年の時点で、66万1500ポンド