東日本大震災で発生し太平洋を漂流する震災がれきが、北米沿岸から日本に向かっている。被災地の東北沿岸から片道約1万キロの移動を経ての帰路。外来生物の侵入やプラスチック製品による環境汚染の懸念があり、海洋環境保護団体は監視態勢強化を訴えている。 【実際の漂着物】小笠原諸島・母島の海岸で行われた漂着物の清掃活動 国際太平洋研究センター(IPRC、米ハワイ)のニコライ・マキシメンコ主任研究員らの予測によると、黒潮に乗って東に進んだ震災がれきは2011年中に北米大陸の西岸北部に到達した後、ゆっくりと南下、北赤道海流に乗って日本や台湾、フィリピンに向かっている。ハワイでは昨年9月ごろから漂流物が確認されるなど、実際の観測とも合致しているという。 世界自然遺産の小笠原諸島(東京都)では昨年末から、魚を入れるトロ箱など震災で流出したとみられる漂着物が見つかり始め、今春以降は例年より多い海ごみが見られる