(8月26日付掲載) 珠洲市内では手つかずの倒壊家屋が連なり、まだ水が出ない地域もある。元旦の発災直後から時が止まったような光景が広がっている(8月23日) 元日に発生した能登半島地震から8カ月――。能登被災地の現状がメディアでとりあげられることも減り、自民党総裁選に名乗りを上げた政治家が記者を引き連れて顔売りに来たり、復興が進み始めたかのようなニュアンスで報じられる一方、現地では今なお被災直後と変わらない深刻な現実が横たわっている。公費解体や交通網の整備、仮設住宅の建設などが遅れているにもかかわらず、震災直後には当然のように注がれた国や行政からの支援が次々に打ち切られ、行き場を失う被災者たち。失われた暮らしや生業をいつとり戻せるのか、まったく先が見通せない絶望感が覆うなかで、歯を食いしばって互いに協力しながら困難と対峙する日々を強いられている。本紙は石川県能登半島に赴き、被災地の今を取材