新連載 日本の「侵略」を行く 小原一真 #01 太平洋戦争の始まりは「真珠湾」ではなかった──日本人の知らない「暴力の歴史」を訪ねて 太平洋戦争の始まりは「真珠湾」ではない──その事実に衝撃を受けた筆者は、日本軍の侵略の歴史をたどる旅に出る。 最初の目的地は、真珠湾攻撃の1時間前に日本軍が対英戦争を始めたマレーシアのコタバル。数千人もの兵士たちが死闘を繰り広げた暗い海で、筆者が見たものとは──。世界から注目を浴びる日本の若手写真家・小原一真の新連載! 数千の兵士たちが波に揉まれ、喘いだ場所 深夜1時を回った頃、海岸沿いでタバコをふかしながら談笑していた若者たちの会話が途切れ、ほどなくして、窓から漏れる蛍光灯の光が消えた。 あたりは真っ暗闇となり、打ち寄せる波は見えなくなった。はるか沖合に浮かぶ漁船の明かりは、かすかに空と水平線の境を見分けるのには役立ったが、どこまでが砂浜でどこからが海水な
![#01 太平洋戦争の始まりは「真珠湾」ではなかった──日本人の知らない「暴力の歴史」を訪ねて | 新連載 日本の「侵略」を行く 小原一真](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1b395df61658f8e784e9d8e191cb2e38d6437ccc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2018%2F02%2F08234113%2FKazuma_Obara_eyecatch_d-1.png)