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【第35回】 【目次】 【第37回】 ある現象を理解するということは、何が変化して何が不変であるかを、理解することだと言える。 何も変化がないのであれば、そもそも考えるべきことが存在しないであろうし、何もかもが変化してしまうなら、やはり考えるべきことが存在しないであろう。 たとえば物理学であれば、変化しない保存量が何かがわかれば、その保存則を用いて現象を理解したり予測したりすることができる。 社会や歴史に関しても、もちろん物理学ほど単純にはいかないが、同じようなアプローチはできる。すでに第30回で一度その実例を見せた。時代とともに神話の内容が変わっても、変わらないものは人生と社会に意味を求める人間の心だった。 さて、私たちは、第15回から続けていた時間旅行で、3冊の本を教科書に3つの時代を見てきた。 キリスト教が全ての中世 科学が勃興した近代 いわゆるポストモダンの現代 そして今、この似た
【第33回】 【目次】 【第35回】 前回から3年弱も間が開いてしまったが、何事もなかったように再開しよう。あと2回ほど『イルカと話す日』を続けたあと、リリー博士のまとめに入る。 第三章 クジラ類との異種間コミュニケーションに必要な諸科学 一九五五年から現在までのあいだに、異種間コミュニケーションを実現するためには、事実や理論を理解するためにさまざまな科学が必要だということが明らかになった。こうした理解を助長する科学は、少なくとも一〇種類(おそらくはそれ以上)ある。 トマス・クーンが述べているとおり、科学が飛躍的発展を遂げるためには、従来の思考の枠組み(パラダイム)とはまったく異なる新しい思考のパラダイムが形成され、若い世代に教えられることが必要である。そうしてはじめて古いパラダイムはその支持者とともに消滅していくのである。 「パラダイムシフトをやたらと強調する学者はトンデモって相場が決ま
2024年5月15日出来 社会科学の考え方(第8刷) 野村 康 著 A5判・上製・358頁 税込3,960円/本体3,600円 ISBN 978-4-8158-0876-1 Cコード 3030 詳細を見る 2024年4月30日出来 博士号のとり方[第6版](第4刷) E・M・フィリップス/D・S・ピュー 著 角谷快彦 訳 A5判・並製・362頁 税込2,970円/本体2,700円 ISBN 978-4-8158-0923-2 Cコード 1037 詳細を見る 2024年4月1日出来 教育原理を組みなおす(第2刷) 松下晴彦・伊藤彰浩・服部美奈 編 A5判・並製・336頁 税込2,970円/本体2,700円 ISBN 978-4-8158-1045-0 Cコード 3037 詳細を見る 2024年4月1日出来 現代アート入門(第2刷) デイヴィッド・コッティントン 著/松井裕美 訳 四六判・並製
「データ3つで標準偏差を計算するのはおかしい」とする主張を私は物理の方法と呼んで、それだけが自然を正しく記述する方法だとする立場を強く批判した(追記参照)。そういう物理の方法としては他に、「正確でない数字の前にはかならず「約」をつけなさい」「結果は有効数字で表現しなさい」が、ある。 複雑な自然をそのまままるごと研究対象にする地質学(や生態学など)は、観察結果を数量で表現することの有効性をもちろん知っている。しかし、歴史性や地理的要因のため、データ取得がしばしば思ったようにはできない。そのとき、数量的表現をあきらめる立場があろう。 しかし私はその立場をとらない。どんなに精度が悪くても、言わないより言うほうがはるかにましだと思っている。精度が悪い数量を日常的に使っていると、数字の前に「約」をつけたり有効数字にこだわることに意味が認められなくなる。すべての観測数値に誤差がある。 日本語としても、
タイトルには煽り成分が含まれております。 アボリジニの画家 「DNAの分析から、人類の起源はアフリカというが、私は信じない。 アボリジニの歴史が偽りで、ただの神話だというのなら、信じなくても構わない。 しかし私たちは違う。アフリカ起源説など信じない。 私たちはここで生まれた。」 遺伝学者 「とても複雑で難解ですが、私が話した起源説はあくまでDNAの歴史なのです。 ヨーロッパ人のルーツをさぐる研究です。 それが私たちのソングラインです。 科学が、私たちに唯一残された歴史を解明するための手段なのです。 ソングラインです。 欧米人には科学しか残されていません。 あなたたちには必要ないものです。」 アボリジニの画家(うなずいて 「私たちは知っている。 天地創造も生まれたわけも。」 ジャーニー・オブ・マン:人類の軌跡より 遺伝子マーカーを用いて人類の系統樹を作成することを試みている集団遺伝学者スペン
ミシガン大学ディアボーン校の総長を務める哲学教授のダニエル・リトル(Daniel Little)が、表題(原題は「The inexact science of economics」)のブログエントリを書いている(Economist's View経由)。 そこで彼は、ウィスコンシン大学マディソン校の哲学教授ダニエル・ハウスマン(Daniel Hausman)の書いた「The Inexact and Separate Science of Economics」という本から、以下の考察を引用している。 不正確な法則とは近似である。それは、ある誤差の範囲内で真実である。 不正確な法則は確率的ないし統計的である。経済学の法則は、人間が必ずこのように振舞うと記述するのではなく、人間が通常このように振舞うと記述する。 不正確な法則は、干渉が存在しない場合の物事のあり方という、反事実的条件における主張を行
2008-11-17を元にネタ的な書き物をば。 上記エントリでの議論に興味を持たれた方、科学論に興味のおありの方には、以下のブログエントリのシリーズ記事をマジにお奨めさせていただきますにゃ。 「科学的」とはどういうことだろう(その1) ( その他自然科学 ) - さつきのブログ「科学と認識」 - Yahoo!ブログ 「科学的」とはどういうことだろう(その2) ( その他自然科学 ) - さつきのブログ「科学と認識」 - Yahoo!ブログ 「科学的」とはどういうことだろう(その3) ( その他自然科学 ) - さつきのブログ「科学と認識」 - Yahoo!ブログ 「科学的」とはどういうことだろう(その4) ( その他自然科学 ) - さつきのブログ「科学と認識」 - Yahoo!ブログ 「科学的」とはどういうことだろう(その5) ( その他自然科学 ) - さつきのブログ「科学と認識」 -
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