バラク・オバマ米大統領が打ち出した新たな銀行規制改革案は、大統領が明言した「米国の納税者が大きすぎて潰せない銀行の人質に取られることは二度とない」という目標を達成することはないだろう。 しかしオバマ大統領が提案した改革案がその壮大な目標に見合わないものか否かはともかく、1つ、確かなことがある。改革案が実施された場合、意図せぬ結末を招くということだ。それが延々と続いてきた過去の金融改革の歴史なのである。 例えば米国のレギュレーションQを取ってみよう。米国の金融当局が1930年代に銀行の預金金利に上限を設けたレギュレーションQには、銀行の収益を引き上げたい(ひいては、預金保険機構への支払いの助けにしたい)という願望などいくつかの狙いがあり、その背景には、預金利率の過当競争が銀行に過度のリスクテークを促しているという考え方があった。 レギュレーションQは、1960年代に貯蓄貸付組合にも適用された
2010年02月03日05:59 カテゴリ大局観、テーマ、見識[edit] ボルカー・ルール 銀行規制改革案の長期的影響(最悪ケースの事前スタディ) < コンセンサスの状況 > 現在のコンセンサスは、「医療保険改革と同様に骨向き」という楽観と「何がどうなるかわからない」という無反応に分かれている。現状では、振り上げた拳の3割(?)適度が実施されるという認識が多いようだ < 私の結論 > No More Bail-Out : 民主主義からの要求、政治的な圧力、長期的な圧力であり、一過性ではない。 実施された際の影響は、企業レベル、金融機関レベル、国家レベル、市場レベル、の全てに及ぶ 単純化すれば、金融機関規制は、 市場を駆け巡る投機資金の縮小=>市場全体の流動性低下=>信用スプレッドのワイド化=>世界の信用乗数の低下=>世界経済の潜在成長力の低下 、、、という地球規模のデフレ・リスクを内包し
経済の不確実性を前提に考えれば、将来に対する合理的予測にも自ずと限界がある。エコノミストやストラテジストの予想通りに相場が動くなら投資家も安泰だが、実際にはそれほど甘くないようだ。 2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックなどの突発的な事象だけが経済を混乱に陥れるのではない。経済の不確実性は、しばしば政治が介在することで増幅される。 オバマ米大統領が21日に打ち出した金融規制強化に関する提案は、米大手金融機関にとって最も収益性の高いヘッジファンド投資や自己勘定取引を制限するものであり、実現すれば投資銀行業務の比重が高い大手金融機関は会社分割も視野に入れなければならなくなる。 先行きの金融システムや米国景気に与える影響が懸念され、株安は世界に波及した。 日本では民主党が先の衆院選マニフェスト(政権公約)でガソリンの暫定税率廃止を盛り込んでいたが、基本的には現状の税率維持が決ま
「オバマ・ショック」 先週後半、オバマ大統領が提案した金融業に対する規制強化案が世界の株価の下落要因になった。一部にはこれを「オバマ・ショック」と呼ぶ向きもあるようだ。 この規制案は現在米議会で審議中の金融規制改革法案に付け加えようとするもので、主な内容は以下の三つだ。 (1)銀行によるファンド投資(ヘッジファンド、プライベート・エクイティ・ファンド)の禁止(保有も出資も禁止する)、 (2)高リスクな自己勘定取引の制限、 (3)大手金融機関の負債規模の制限、である。 何れも詳細が未だ分からないが、(1)(2)は銀行による非銀行業務でのリスク・テイク行為の制限であり、(3)は大きすぎて潰せない金融機関を作らないための規制だ。 金融危機後のアメリカの大手金融機関は自己勘定取引やファンド投資で大きな収益を上げた。昨年は、株式をはじめとする多くの相場がリバウンド局面を迎えたし、何よりも「しばらくは
このマーケットコメントは、資産運用を職業とする国内外の機関投資家顧客向けに書いている落書き帳です。少し違った視点から相場を眺めている一人の声としてお楽しみ下さい! ● 先週突如として出てきたオバマ政権の「新金融制度規制案」(日経では新金融規制案と記述、他にも銀行規制強化案との言い方もある)。正確に記すと、いずれ何らかの規制案は出てくるだろうというのは予想されていました。実際、英国では金融機関の高額ボーナスに対する特別課税が出たし、米国でも金融機関に対する特別課税という案が出ていたんです。ところが、今回出てきた規制案の内容は、ほぼ市場関係者全員の想定を超えるもの。グラス・スティーガル法の時代を知っている世代にとっては、その復活を意図したと感じ取っただろうし、大部分の人々が大衆迎合的と感じただろうし、モロ社会主義的に見えるし、その突然(に思える)の方向転換はかなり極端。見方によっては、投資銀行
(写真は左から、月初に金融危機の原因解明に関する議会公聴会で証言台に立つLloyd Blankfein(GS)、 James Dimon(JPM)、 John Mack(MS)、Brian Moynihan(BofA)の各CEO) 提案された規制の内容 今回提示された規制案の具体的内容は、連邦政府の保護を受ける預金業務を営む金融機関(つまり銀行)が、自己資本を用いた証券売買(プロップトレーディング)、ヘッジファンドの保有、プライベートエクイティファンドの保有をすることを禁止し、トレーディング業務は対顧サービスに限定する、と言うものです。と同時に、銀行が「大きすぎて潰せない」ことのないよう、一社で全米の預金残高の10%以上を保有することも、禁ずるそうです。 これは大手金融機関に、事実上、銀行業を営むかリスクの高い自己投資事業を営むか、どちらかを選択することを迫るものです。Lehman破綻の際
02« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»04 今日の東京株式市場は急反落した。昨日のNY市場でオバマ大統領の演説をきっかけとして雪崩を打ったかのように投資銀行株に売り物が殺到した。その流れを受け継いでの東京株式市場であったが、結局ここまで上昇してきた自己の裁定ポジションの解消が起きて下げバイアスを加速させた格好となった。但し、後場になると「アジアマネー」といわれるような買い物が入り、下げ渋りの展開、メガバンクなどが切り返していくような展開となった。 そのオバマ大統領の演説とは、以下のようなものだった(ロイター記事参照) ・銀行、または銀行を傘下に持つ金融機関によるヘッジファンドおよびプライベート・エクイティ・ファンドへの投資や出資、保有を禁止 ・預金だけ
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR> ◇「高リスク取引制限」 【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領が21日、金融機関に対する規制強化策を打ち出したことで、金融自由化の波に乗って規模拡大を追求してきた米金融業界は大きな方針転換を余儀なくされる可能性が出てきた。ただ、大統領が声明に盛り込んだ銀行による「ヘッジファンドへの出資禁止」や「自己資金での取引制限」などがどの程度実現できるかは未知数だ。急激なルール変更は金融市場を混乱させ、落ち着きを取り戻しつつある金融システムに悪影響を与える恐れもある。 オバマ大統領の発表した規制改革案は、金融機関の規模抑制と銀行によるリスク投資の制限が大きな柱となっている。大統領は「米国の納税者が『大きすぎてつぶせない』銀行によって人質に取られるような事態は二度と起こらないだろう」と規模の制限導入の意義を強調。「預金者の金でヘッジファンドに投資することは許さ
米金融規制案 銀行の“暴走”をどう止める(1月23日付・読売社説) 金融危機の再発を防止するため、オバマ米大統領が、新たな金融規制改革案を打ち出した。 実現すれば、金融業界は、リスクの高い投資や合併・統合で収益の拡大を目指すビジネスモデルの抜本的な見直しを迫られよう。 新規制案は、預金を扱う商業銀行がヘッジファンドを保有することなどを禁止する。金融機関の事業拡大にも制限を課し、巨大化に歯止めをかける大胆な内容だ。 米国では1999年、銀行と証券の分離を定めた「グラス・スティーガル法」が廃止された。その後、金融機関の融合や、リスク投資が加速し、今回の金融危機を招く主因になったとされる。 金融機関が「トゥービッグ・トゥーフェイル」(大きすぎて、つぶせない)の状況に陥り、公的資金で救済せざるを得なかった。 大統領はその教訓を生かし、金融機関の“暴走”に歯止めをかける決意を示したといえよう。銀行と
[22日 ロイター] 欧州連合(EU)関係筋は22日、EUはオバマ米大統領の金融規制案に追従せず、他の手段を用いて銀行セクターのリスクを抑制していくとの見方を示した。 関係筋はロイターに対し「われわれは米国の立場やオバマ大統領の考えを理解している。しかし、EUが同じ進路を取るとは考えられない。オバマ大統領の計画はEUの目的には適合しない」と語った。 そのうえで、EUは銀行の自己資本比率基準引き上げや金融規制の厳格化など進行中の改革に注力していく、とした。
[東京 22日 ロイター] オバマ米大統領が提案した金融機関に対する新規制案を嫌気してリスクマネーが巻き戻しの動きを強めている。世界的に株安、商品安が進み、日経平均も300円を超える下落となった。 1月22日、オバマ米大統領が提案した金融機関に対する新規制案を嫌気してリスクマネーが巻き戻しの動きを強めている。写真は東京証券取引所で4日撮影(2010年 ロイター/Kim Kyung-Hoon) 前年末から日本株を押し上げてきた海外勢も一部は売り越しに転じているという。米金融規制案はいずれ「現実路線」に落ち着くとの見方も多いが、ひとまず規制案の行方を見極めようとマーケットには慎重ムードが広まっている。 <日本の「モラトリアム法案」の再現との見方も> 「金融機関が闘いを望むなら受けて立つ用意がある」と述べるオバマ大統領の強い口調にマーケットはいったん大きく反応したが、提案自体は徐々に「現実路線」
[ニューヨーク 22日 ロイター] 22日の米株式相場は大幅続落。オバマ米大統領の新金融規制案により利益が圧迫されるとの懸念に加え、米グーグルGOOG.Oの低調な決算を受けハイテク株に売りが出たことで、S&P総合500種の3日間の下げ幅は過去10カ月で最大となった。 ダウ工業株30種は、216.90ドル(2.09%)安の1万0172.98ドルで引けた。 ナスダック総合指数は60.41ポイント(2.67%)安の2205.29。 S&P総合500種は24.72ポイント(2.21%)安の1091.76。 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長再任の承認採決の行方についての不確実性も市場を圧迫。ハリス・プライベートバンクの最高投資責任者、ジャック・アブリン氏は「バーナンキ議長再任をめぐる不確実性、オバマ大統領の新たな金融規制案、マサチューセッツ州で実施された連邦上院議員補欠選挙。これらを受け、市
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