雇用を取り巻く環境が悪化の一途をたどっている。政府は10月23日に平成22年3月末までに10万人の雇用創出効果を見込む緊急雇用対策をとりまとめたが、直後の同31日に発表された9月の失業率は5・3%と高止まりしたままで、専門家からも対策の効果を疑問視する声が上がっている。民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた、製造業派遣の原則禁止などの規制強化は、逆に雇用の減少を招くとの声が多い。不安に揺れる雇用の現場をたずねた。突然の解雇通知 「生産の縮小は止まったはず。仕事に戻してほしい」 栃木県栃木市に住む松本浩利さん(47)は、10月のある日、かつて働いていたいすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町)の応接室で、同社の総務担当者らにこう訴えた。 回答は「今のところ予定はありません」。 松本さんが、会社から解雇を通告されたのは、リーマン・ショック発生から2カ月後の昨年11月のことだった。翌年4月までの雇用
正社員には賃金の抑制だが、非正規社員は解雇――。内閣府が上場企業に行った「企業行動に関するアンケート」で、景気悪化に伴う雇用調整の方法に大きな「格差」があることがわかった。契約を更新しない実質的な解雇も多いとみられ、非正規社員の弱い立場が浮き彫りになっている。 調査は毎年行っており、今年は2月に上場企業1027社から回答を得た。 景気減速のなかで利益を確保するための取り組みについて(複数回答)は、45%の企業が雇用調整を行っていると回答。雇用調整の方法(同)は、正社員が対象の場合は「残業削減」が85%で最も多く、「採用抑制」が50%、「賃金調整」が40%で、「解雇」は4%にとどまった。 一方、正社員以外に対する雇用調整の方法は、6割程度の企業が「残業削減」と「採用抑制」を行ったと回答したほか、29%の企業が「解雇」を行ったとしている。 内閣府によると、「採用抑制」には雇用契約を更新
ボーナスという責任 憤る世論を前に金融業界は――フィナンシャル・タイムズ 2009年3月30日(月)08:00 FTが選ぶ「世界の針路を決める50人」 (フィナンシャル・タイムズ 2009年3月27日初出 翻訳gooニュース) ブライアン・グルーム、フランセスコ・ゲレーラ、エイドリアン・コックス お前を殺すという脅迫メールが舞い込む。元社長の自宅が襲撃される。町中で抗議行動。巷には今、かなり危険な空気がたちこめている。1930年代以来の最悪な国際金融危機を引き起こした張本人だと指差しされている金融業界に対して、世論は激しく反発しているのだ。そして「唾棄している」と言ってもいいこの世論の反発は、今や英米と欧州本土でいっそう激烈なものになりつつある。 政治家たちは不安に揺れている。銀行を責め立てるのは自分たちの失敗を覆い隠すのにかっこうなスケープゴートなので、ヒステリックなアンチ
派遣社員を中心とする非正規社員の失業数は10万人台、あるいは30万人近くにまで膨らむかもしれない――。 厚生労働省は2008年11月末、「08年10月から09年3月までの6ヵ月間に失業あるいは失業する見通しの非正規労働者が、全国で3万67人に上る」と発表した。ところが、それからたった1ヵ月で、これが“ミニマムの数字”となる可能性が高まっている。 「現在のリストラは氷山の一角。各労働組合や派遣会社などの関係各所と意見交換をすると、『公表数字の2~3倍、もしくは1ケタ多くなるのではないか』という声さえ聞こえる。派遣という雇用形態でなくても、たとえば建設業における“大工の一人親方”などへの影響も大きく、数字に現われない失業者が増える可能性は高い」(関係者) その予想を裏づけるかのように、12月26日の厚労省の発表によれば、同月12月19日時点の非正規労働者の「雇い止め」は、すでに8万5012人に
首都圏で20代の男性が最低限の生活を維持するには時給1345円が必要--。労働問題を研究するシンクタンク労働運動総合研究所などが8日、首都圏では初めての最低生計費の試算結果を公表した。東京都の最低賃金は766円で大きな隔たりがあるとしている。 テレビやパソコン、洋服など500項目の持ち物調査や外食の割合、値段など生活実体を調査する方法で、東京、神奈川など首都圏4都県の2039人から回答を得た。 試算は20代男性単身世帯から50代夫婦子供2人、70代女性単身など9パターンで行った。 20代男性単身世帯では、食費3万9564円で家賃5万4167円、教養娯楽費1万8273円などで計23万3801円(月額)となった。これを最低賃金審議会で使った労働時間の173・8時間で割ると、最低賃金1345円(時給)が必要となる。試算には税、社会保険料金(4万2395円)も含まれる。 30代母子家庭(35万51
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