坂本桂一 今回は、社内の仕組みの観点から、新規事業(企業内起業)の成功確率を下げている、企業における「間違った常識」の中から、特に重要であると考えられる点について順番に取り上げていきます。 例えば、新規事業を検討する際に、社内に事業審査会や投資委員会のようなものを作って、そこで新規事業の企画を検討しているという話は、わりとよく聞かれます。 なるべく多くの意見を取り入れたほうが、よりよい結論を導き出せるはずだ(もしくは、そうしたプロセスを経ることで、社内でプロジェクトを推進しやすい)と考えているのでしょう。しかし、新規事業をはじめるにあたって多くの意見を取り入れるのは、害の方が多いのが実際です。多くの人から意見を聞くと、そこにいる全員の、経験の範囲のなかに収まるものしか出てきません。新規事業の成功体験のない(また、当該案件について思い入れの薄い)人たちから集めた多数の意見の中から、