2021年8月16日、マレーシアでムヒディン・ヤシン第8代首相が率いる内閣が総辞職した。原因は与党陣営の内部対立である。連立与党の一端を担う統一マレー人国民組織(UMNO)の議員11人が8月3日に首相不信任を表明したことにより、ムヒディン首相を支持する議員の数が過半数を割ったことが明白になっていた。ムヒディンは政権維持の道を模索したが、野党からの協力取りつけに失敗して退陣を余儀なくされた。 内閣総辞職を受けて、アブドラ・アフマド・シャー国王が下院議員に対して誰を首相に推挙するかを通知するよう命じた。その結果、ムヒディン政権で副首相を務めていたUMNOのイスマイル・サブリ・ヤアコブが定数222(欠員2)のうち114議員の支持を集め、20日に第9代首相に任命された(翌日就任)。イスマイル・サブリを支持したのはムヒディン政権のときと同じ政党であり、連立与党の構成に変わりはない。27日に発表された