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ブックマーク / gendai.media (117)

  • 平均年収186万円…日本に現れた新たな「下層階級」の実情(橋本 健二) | 現代新書 | 講談社(1/2)

    平均年収186万円の人々 いま日の社会は、大きな転換点を迎えている。格差拡大が進むとともに、巨大な下層階級が姿を現わしたからである。その数はおよそ930万人で、就業人口の約15%を占め、急速に拡大しつつある。それは、次のような人々である。 平均年収はわずか186万円で、貧困率は38・7%と高く、とくに女性では、貧困率がほぼ5割に達している。 貧困と隣り合わせだけに、結婚して家族を形成することが難しい。男性では実に66・4%までが未婚で、配偶者がいるのはわずか25・7%である。女性では43・9%までが離死別を経験していて、このことが貧困の原因になっている。生活に満足している人の比率も、また自分を幸せだと考える人の比率も、きわだって低い。 健康状態にも問題がある。4人に1人は健康状態がよくないと自覚している。心の病気を経験した人の比率は、他の人々の3倍近い2割に上っている。そして多くが、「絶

    平均年収186万円…日本に現れた新たな「下層階級」の実情(橋本 健二) | 現代新書 | 講談社(1/2)
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2018/01/14
    なぜ格差が拡がるのか。それは分け合わないことが一番の原因です。皆で分け合う社会にするためにはどうすれば良いのか考えていきたいですね。
  • 「来年1月、伊豆で大きな地震があるかもしれない」ある研究者の警告(藤 和彦) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

    どうか耳を傾けてほしい 「来年1月にも伊豆半島で大規模な直下型地震が起きる可能性が高い」 こう警鐘を鳴らす学者がいる。あと一月ほど未来の非常に忌まわしい予測で、ややもすればオカルトのように捉える人もいるかもしれない。しかし筆者はこの警鐘を、比較的可能性の高い情報としてとらえている。 彼の声はあまりに小さく、この情報を知っている人はごく少数だ。その理由は、彼が地震学の権威である東京大学地震研究所に籍を置かない「地質学」を専門とする学者だからだ。 地震学の門外漢であるこの学者の警鐘をなぜ筆者が信用しているかといえば、彼が長年培った地質学的見地に基づいて導き出した「地震発生メカニズム」を提唱しているからだ。 筆者は彼の書籍を読み、8年以上にわたる付き合いを続けてきたが、その間、彼の予測の正確さや妥当性を何度も見せつけられている。その経験から筆者は彼の警鐘を深刻に受け入れているのだ。 ただし「この

    「来年1月、伊豆で大きな地震があるかもしれない」ある研究者の警告(藤 和彦) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
  • なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟(矢部 宏治) | 現代新書 | 講談社(1/4)

    私たちが暮らす「戦後日」という国には、国民はもちろん、首相でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が数多く存在し、社会全体の構造を大きく歪めてしまっているという。 たとえば2016年、安倍晋三首相による「北方領土返還交渉」が、大きな注目を集めたが、日での首脳会談が近づくにつれて事前交渉は停滞し、結局なんの成果もあげられなかった。なぜ、いつまでたっても北方領土問題は解決しないのか。はたして、この国を動かしている「当のルール」、私たちの未来を危うくする「9つの掟」とは? 『知ってはいけない――隠された日支配の構造』の著者・矢部宏治氏が、「戦後史の闇」を解き明かす。 事実か、それとも「特大の妄想」か それほどしょっちゅうではないのですが、私がテレビやラジオに出演して話をすると、すぐにネット上で、「また陰謀論か」「妄想もいいかげんにしろ」「どうしてそんな偏った物の見方しかできないんだ」などと

    なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟(矢部 宏治) | 現代新書 | 講談社(1/4)
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2017/08/05
    日本が敵国条項を抜けるために何をしてきてたか、敵国条項を抜けることに対して盛り上がらないのはなぜか、米軍が戦争してくれるからいいじゃないか、などそういうことに対する考察も欲しいですね。
  • 夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…(NHKスペシャル取材班)

    歴史上、世界のどの国も体験したことがない未曾有の人口減少時代に突入した日。約50年後には、4600万人もの人口が減る厳しい未来が待っている。『縮小ニッポンの衝撃』は今後、日が直面するこの問題に正面から向き合った、NHK取材班のルポをまとめた一冊だ。書から一足先に「財政破綻」「超高齢化」「人口減少」という三重苦を抱えた、夕張市の衝撃的な現実を特別公開する。 税収は8億円、返済額は26億円 夕張市は、財政破綻で2007年に財政再建団体に指定されたことをきっかけに、事実上国の管理下に置かれた。 2010年の法改正で財政再生団体と名称は変わったが、予算編成にしても国の同意を得なければ、新たな予算を計上することも独自の事業を実施することもできない。「地方自治体」でありながら、「自治」が許されない。そんな自治体は、全国でも唯一夕張市だけだ。 夕張市の財政はいまも火の車だ。税収が8億円しかない夕張

    夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…(NHKスペシャル取材班)
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2017/07/17
    差別心をなくすことが廃村の前提になるかと思います。/孤児と寡婦の権利を守り、寄留者を愛して食物と衣服を与えられる。あなたたちは寄留者を愛しなさい。あなたたちもエジプトの国で寄留者であった。申命記10:18-9
  • いま日本中で急増している「マンション管理人失踪」という異常事態(週刊現代) @moneygendai

    管理人はいるのが当たり前――そう思い込んでいる人ほど、彼らが普段、どれほど面倒事を引き受けてくれているかを知らない。いざいなくなったとき、待ち受けているのは絶望的な現実だった。 ヒビが入った窓ガラスも放置 埼玉県川越市。JR川越駅から徒歩20分ほどのところに、築約40年のAマンションがある。 「正直、身体がしんどいので、ここらで辞めさせてもらいます」 20年以上にわたりこのマンションの管理人を務めていた70代の女性が突然いなくなったのは、この4月のことだった。 Aマンションの管理組合理事長を務める60代の男性住民が言う。 「その管理人さんはもともと管理会社から派遣されていたのですが、長年修理や管理を一手に引き受け、住民からの信頼も篤かった。会社を定年退職されたのを機に、管理組合と直接契約し、引き続き務めてもらっていました。 それが、昨年あたりから『私も歳だし、この仕事はキツい』と何度か相談

    いま日本中で急増している「マンション管理人失踪」という異常事態(週刊現代) @moneygendai
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2017/07/10
    街のスラム化につながるので公共の問題と言えなくもないですね。
  • なぜいま、ローマ教皇は「聖母出現」という強烈な奇跡を否定したのか(岡本 亮輔) @gendai_biz

    国際的なカトリック聖地への疑念 1981年6月、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部の小さな村で奇跡が起きる。 ビヤコビチ村にある岩山の中腹に聖母マリアが出現し、メッセージを与えたというのである。 聖母を見たのは地元の6人の若者たちだ。この出来事は、教会のある隣村の名をとって「メジュゴリエの聖母出現」と呼ばれるようになる。 聖母出現は、カトリックでは古くから報告されてきた奇跡だ。少なく見積もっても数千件はあるだろう。その中でもメジュゴリエが際立っているのは、聖母出現が現在まで続いているとされることだ。 見神者たちはすっかり成長したが、相変わらず聖母を見続けているという。しかも、見神者は公開の場で聖母からメッセージを受け取り、その動画が配信されるのだ。たとえば今月2日の聖母出現の様子は次の通りだ。 聖母のメッセージは各国語に翻訳されて、ブログやツイッターなどを通じて世界中に拡散される。こうして、メジ

    なぜいま、ローマ教皇は「聖母出現」という強烈な奇跡を否定したのか(岡本 亮輔) @gendai_biz
  • 日本人が実感しづらい「ローマ教皇」絶大なる影響力と苦悩(岡本 亮輔) @gendai_biz

    絶大な影響力をもつローマ教皇 ローマ教皇をとり上げた2つの映像作品が続けて公開される。4月にはWOWOWで『ピウス13世 美しき異端児』が放映された。そして、間もなく現教皇フランシスコを描いた映画『ローマ法王になる日まで』(6月3日公開)が公開される。 ローマ教皇は世界最大の宗教団体「ローマ・カトリック」のトップであり、バチカン市国の国家元首でもある。教皇はコンクラーヴェと呼ばれる選挙――枢機卿というカトリック教会の最高幹部たちの互選――によって選ばれる。 コンクラーヴェで壮絶な駆け引きが行われることは想像に難くない。 かつては新教皇が選出されるまで、投票会場となるシスティーナ礼拝堂には外から鍵がかけられたこと、そのため、投票によって新教皇が選出されなかった場合は礼拝堂の煙突から黒い煙をあげ、選出された場合は白い煙をあげることなどは知られているかもしれない。 現在のフランシスコは2013年

    日本人が実感しづらい「ローマ教皇」絶大なる影響力と苦悩(岡本 亮輔) @gendai_biz
  • 世界で大活躍したいなら、武器としての「世界史」を学びなさい(courrier編集部) @gendai_biz

    を語るためにも、世界史を知ることは重要だ。自覚的に学べば、初対面の海外取引先に対しても、堂々と渡り合うことができる。 クビライ・カアンが革新した交易の歴史を学び、ビジネス現場における武器とせよ! 今から2110年前、キケロの頃から、世界史の必要性は共有されていました。彼は「生まれる前のことを知らないことは、ずっと子供のままでいることだ」という言葉を残しています。 社会をつくっているのは大人ですから、子供のままで仕事はできません。つまり、世界史を知らなければ仕事ができない、と人間は経験的に知っていたのです。 時代が下って、元米国務長官のキッシンジャーも、「人間はワインと同じだ。生まれ育った土地の歴史や気候の産物だ」と私の前で言いました。 どういうことかというと、人間はどの国民であっても、自分のルーツを大事にしているし、それが素晴らしいものだったらいい、と思っている。だから相手が先祖や土地

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  • NHK解説委員「水野さん」が語る、いま福島で起きていること(週刊現代) @gendai_biz

    「非常に危険な状況です。一刻も早く燃料棒を冷やすことです」――。 6年前のあの日、NHK解説委員・水野倫之さんの切実な声を聞いた視聴者は、「この人は信用できる」と思った。水野さんはいまも福島に通い続けている。 問題は何も終わっていない 震災から6年が経ち、福島への関心は日々、薄らいでいるように思えます。月日が経ったのですから、いたしかたない面もありますが、実際には原発の廃炉にしろ、復興の問題にしろ、まだ、何も終わっていませんし、解決していません。 廃炉作業は困難の連続で、今も8万人の方々が避難生活を余儀なくされています。問題は山積しているのです。それなのに大きな変化がないとなかなか注目されない。 事故がどうして起きたのか、その時、何が起こったのか、そして今、何が起こっているのか。それらを伝え続けなくてはいけない……。切り口を変えてみたり、タイミング良く解説するにはどうしたらよいのかと、悪戦

    NHK解説委員「水野さん」が語る、いま福島で起きていること(週刊現代) @gendai_biz
  • 「これまでの記事を撤回したい…」沖縄で私はモノカキ廃業を覚悟した(中川 淳一郎) @gendai_biz

    「高江ヘリパッド工事反対運動」「大阪府警機動隊員による『土人』発言」「『ニュース女子』沖縄ヘイト番組騒動」「オスプレイ配備反対」「辺野古工事反対運動」などなど、昨今、沖縄を舞台・題材にし、リベラル派と右派の衝突が続いている。 なかでも『ニュース女子』(TOKYO MX)が1月2日に報じた沖縄基地問題に関する報道が波紋を広げている。 市民団体「のりこえねっと」が「日当」を支払って反対派を沖縄に送り込んでいる、といった報道を行った。番組中では、高江では工事反対派があまりにも危険なため取材陣がこれ以上は入れない、といったリポートもしている。また、反対派を「テロリスト」扱いし、その「黒幕」として、のりこえねっとの共同代表・辛淑玉氏について言及した。 これを受け、辛氏らはBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に人権侵害の申し立てをし、1月27日には「TOKYO MX-TV「ニュース女子」に

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  • 日本の学校から「いじめ」が絶対なくならないシンプルな理由(内藤 朝雄) @gendai_biz

    最近、また「いじめ」が大きなニュースとなっている。なぜいまだに根的な解決にいたっていないのだろうか。 いじめは80年代なかば以降、人びとの関心をひく社会問題になったが、いじめ対策は効果をあげていない。 それは、学校に関する異常な「あたりまえ」の感覚が一般大衆に根強く浸透してしまっているからである。マス・メディアや政府、地方公共団体、学校関係者、教委、教育学者や評論家や芸能人たちがでたらめな現状認識と対策をまき散らし、一般大衆がそれを信じ込んでしまうためでもある。 私たちが学校に関して「あたりまえ」と思っていることが、市民社会のあたりまえの良識を破壊してしまう。この学校の「あたりまえ」が、いじめを蔓延させ、エスカレートさせる環境要因となっているのだ。 きわめてシンプルな「いじめ対策」 いじめを蔓延させる要因は、きわめて単純で簡単だ。 一言でいえば、①市民社会のまっとうな秩序から遮断した閉鎖

    日本の学校から「いじめ」が絶対なくならないシンプルな理由(内藤 朝雄) @gendai_biz
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2017/02/09
    環境は時代時代で変わるので。自己実現主義社会のプレッシャーに晒されたストレスのたまった子供が攻めやすいところ攻めるということだと思います。自己実現が全てではなく隣人を大切にすることを説くのが大切。
  • エホバの証人事件で息子の輸血を拒否した父親と、演じたたけしの距離(近藤 正高) @gendai_biz

    エホバの証人事件で息子の輸血を拒否した父親と、演じたたけしの距離 ビートたけしが演じた戦後ニッポン(4) 俳優・ビートたけしはこれまで多くの「昭和の大事件」の当事者を演じてきた。大久保清、千石剛賢、田岡一雄、金嬉老、東条英機。さらには、3億円強奪事件の犯人、豊田商事会長刺殺事件の犯人、エホバの証人輸血拒否事件で死亡した男児の父親……。 そうした現代史とたけしの半生を重ね合わせながら、戦後の日社会を考察する好評連載第4回。今回は、「エホバの証人」事件で息子の輸血を拒否した父親とたけしの「距離」に着目した。 たけし、市井の人間を演じる 1984年、ビートたけしは、週刊誌『朝日ジャーナル』の「若者たちの神々」という連載対談に登場した。このころのたけしは、政治や社会問題などへの発言も増え、著書も出すようになっていた。対談では同誌編集長・筑紫哲也がそれを踏まえて 「あなたの書いているものは、自分た

    エホバの証人事件で息子の輸血を拒否した父親と、演じたたけしの距離(近藤 正高) @gendai_biz
  • 【戦慄のルポ】いま全国の「限界マンション」で起きていること(週刊現代) @gendai_biz

    白骨化した変死体が… 福岡県・福岡市博多区。JRの博多駅から徒歩10分ほどの裏通りに面した、築40年超のAマンション。 年季が感じられる灰色の壁と、塗装が剥がれて何が書いてあるのか判別しにくいマンション名のプレートを除けば、一見、どこにでもあるような古びた建物に見える。だが、ここは、「スラム化マンション」として全国的に有名になった物件だ。 近隣の不動産を取り扱う業者が言う。 「かつて、このマンションは中流の家庭が入居するごく普通の物件でした。それが、地上げ屋と住民の対立から、入居世帯の過半が不在となり、結果的に管理組合の機能が麻痺してしまった。 共用部の電気代の支払いが止まって、エレベーターは動かなくなり、屋上の貯水タンクへの水の供給が停止。居住が不可能になりました。 多くの住民が出ていってしまい、浮浪者や不審者のたまり場となり、荒れに荒れた。不審火による火災が発生して全焼した部屋が丸焦げ

    【戦慄のルポ】いま全国の「限界マンション」で起きていること(週刊現代) @gendai_biz
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2016/12/31
    マンションが限界じゃなくて、日本の資本主義が限界なんでしょう。金の切れ目が縁の切れ目。あとは公共でよろしく頼む。そんな社会で良いんでしょうか。断絶が取り除かれ助け合いのできる社会になることを。
  • キリスト教を絶対に体内に取り込まない「日本文化」の見えない力(堀井 憲一郎)

    日露戦争の勝利を転機に、クリスマスを「西洋気分を味わいながらはしゃぐ日」に変えた日人。そして大正年間に入り、日の風俗の中にクリスマスは完全に定着していく。同時に、キリスト教の宗教的な側面は断固として拒否しつづける日文化の目に見えない力が浮かび上がってくる。 日人とクリスマスの不思議な関係をずんずん調べる連載第13回。(第1回はこちらから http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47056) 「欧州大戦」の影響 大正年間は1912年の7月31日から、1926年の12月25日までの14年5ヵ月間である。 この15年足らずの期間に起きた出来事のうち、とても大きな出来事はこの二つであろう。 1914年からの欧州大戦。 1923年の関東大震災。 25年のちに再び欧州で大戦が起こるので、1914年のほうは「第一次大戦」といまでは呼ばれるが、当時そんな呼び方をする

    キリスト教を絶対に体内に取り込まない「日本文化」の見えない力(堀井 憲一郎)
    ToTheEndOfTime
    ToTheEndOfTime 2016/10/20
    日本は神道の国だからだと思ってるのですが。イスラエルがユダヤ教の国で、インドがヒンズー教の国のように。
  • 鎖国下の日本で、期せずして海外を見てしまった漂流者たちの証言(堀井 憲一郎)

    クリスマスと日人の不思議な関係を解き明かす連載第7回。鎖国していた江戸時代、期せずして海外文化に直接ふれることになったのは「漂流者」たちだった。今に伝わる彼らの証言から、当時の庶民が異国に対してどんな感覚をもっていたかを探る。(→第1回はこちら) 海外に直接ふれた「漂流者」 隠れキリシタンとは別に、江戸政権期のクリスマスについて、私が興味を抱くのは「漂流者たちの見聞」である。 海外の国との国交をほぼ断絶している時期、長崎の交渉役人以外で海外文化に直接ふれた者たちとしては、この〝漂流者〟がいる。 多くは回船業者である。 仙台から江戸をめざしていた回船や、紀州和歌山から江戸をめざしていた回船などが暴風によって沖に流され、黒潮海流に乗り遠くアリューシャン列島などに漂着し、ロシア人ないしはアメリカ人に救出され、やがて日に帰着した。 江戸期、この漂流者たちはかなりの数にのぼった。 救出され、

    鎖国下の日本で、期せずして海外を見てしまった漂流者たちの証言(堀井 憲一郎)
  • 江戸時代、「隠れキリシタン」はぜんぜん隠れていなかった!?(堀井 憲一郎)

    クリスマスと日人の不思議な関係を解き明かす連載第6回。今回は、鎖国していた江戸時代が舞台。「隠れキリシタン」と聞いて我々がイメージする姿と、実際はずいぶんちがったようです。(→第1回はこちら) 鎖国の目的 17世紀、江戸にあった中央政府は〝鎖国令〟という名の触れは出していない。 かれらがおこなったのはキリスト教徒を日国から締め出すことであった。 徳川家康は1613年の暮れに「伴天連追放」を全国に公布し、その一掃をはかった。日古来の秩序を乱すものとして、その存在を許さなかった。 ただその信者数はかなりの数におよび、しかも全国に広がっていた。禁教令を出したくらいでは、その影響力を途絶させることはできない。そもそも、キリスト教国との貿易は継続したため、商人に身をやつした宣教師が国内に潜入するのを止めることはできなかった。 そこで政府は徹底をはかることになる。 まず御用商人が扱っていた外国と

    江戸時代、「隠れキリシタン」はぜんぜん隠れていなかった!?(堀井 憲一郎)
  • 日本人がキリスト教を「拒絶」した本当の理由(佐藤 優) @gendai_biz

    遠藤周作原作の歴史小説 マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』が今秋公開される予定なので、作への関心が世界的に高まっている。原作は1966年に新潮社から刊行された。 島原の乱(1637~38年)でキリスト教徒が徹底的に弾圧された直後にローマ教皇庁(法王庁)の指令でイエズス会の2人の司祭(神父)セバスチァン・ロドリゴとフランシス・ガルペが日に秘密派遣される。 実は二十数年前、イエズス会から派遣されていた著名な神学者で卓越した教会指導者であるクリストヴァン・フェレイラ神父が、「穴吊り」という拷問にあって棄教した。井上筑後守という凶暴な弾圧者がフェレイラを棄教させたという。 日人キリスト教徒は指導者を失って混乱の極みにある。この状況下で日のカトリック教会を建て直すことがロドリゴとガルペに課せられた使命だった。 日への潜伏には成功するが、ある信者の裏切りにより2人は逮捕される。「転べ」

    日本人がキリスト教を「拒絶」した本当の理由(佐藤 優) @gendai_biz