iPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製で、京都大の沖田圭介講師、山中伸弥教授らは、安全性を高めるためにウイルスを使わず、細胞の染色体に傷がつかない方法を開発した。2009年に米国で開発されたDNAを使う方法を改良し、効率を高めた。米科学誌ネイチャーメソッズ電子版に4日発表する。 iPS細胞は、ウイルスの一種を運び屋にして遺伝子を細胞に導入して作製すると、ウイルスが遺伝子を細胞の染色体に入り込ませるため、もとからある遺伝子を傷つけてがん化させる危険性がある。 米グループは、iPS細胞に必要な遺伝子を、染色体の外で複製する特殊なDNAに組みこむ方法を開発した。沖田講師らはこの方法を使い、組みこむ遺伝子の種類の組み合わせを変えたところ、ウイルスを使う方法よりは効率が低いが、米グループの方法より効率が上がったという。 京都大は、拒絶反応にかかわる遺伝子を調べ、多くの人への移植が可能になるタイプ