Jリーグが中断期間中の11月中旬、冬晴れの某日――。平日の午前中にもかかわらず、大宮アルディージャの練習場には熱心なサポーターたちが駆けつけていた。だが、その表情は一様に曇って見える。男性ファンに話しかけてみると、訥々(とつとつ)と語り出した。 「正直、今年のアルディージャみたいな経験をしたチームはないと思います。うちは上位争いなんて、未体験ゾーンでしたし。勝っているとき、周りに『すごいね』と言われても、何がすごいのかよくわからなかった。今はある意味、定位置です......。1年中、戸惑いどおしですよ(苦笑)」 そう話した内山さん(48歳)は、大宮が1999年にJ2参入を果たしたころからのサポーターだ。今季はかつてない激動の1年で、「評価が難しい」という。 11月10日の甲府戦で大宮のゴール裏に掲げられた横断幕「悔いなく闘ってくれ」 例年はシーズン途中まで下位に沈みながら、終盤に降格を免れ