1.自然退職(自動退職) 私傷病休職の場面で、自然退職規定・自動退職規定といった言葉が使われることがあります。 この場合の自然退職規定・自動退職規定とは、 「休職期間が満了しても休職事由が消滅しない場合には、従業員は、休職期間の満了をもって退職する。」 といった規定をいいます(佐々木宗啓ほか編著『類型別 労働関係訴訟の実務』〔青林書院、初版、平29〕308頁参照)。解雇の意思表示を要することなく、期間満了時に退職という効果が自動的に発生することが名前の由来となっています。 この自然退職規定・自動退職規定を、 「◯日以上連絡がとれないときは、◯日を経過した時に退職する」 といったように、無断欠勤の場面でも使うことは可能なのでしょうか? また、可能だとして「連絡がとれない」という趣旨の要件は、どのように理解されるのでしょうか? この問題を考えるにあたり、参考になる裁判例が、近時公刊された判例集