図0. 無数のドゥジャルダンヤマクマムシ。 1. はじめに 人類が構築してきた文明のなかでも、食文化は、もっとも重要なカテゴリーのひとつを占める。ヒトの摂食行為は、生命活動に必要なエネルギーを確保するためだけのものではない。摂食行為にかかわる味覚、嗅覚、視覚。摂食の過程でこれらの感覚が統合・抽出される。調理や盛り付けの方法が開発されてきた理由の一端として、人類が摂食行為を通した感覚刺激によって得られる快楽を求めてきたことが挙げられるだろう。 我々の豊かな食文化を支えるもっとも基本的なパーツは、食材である。摂食行為に快楽を求めてきた人類は、多数の食材を開拓してきた。人類にとって未知の材料を新たな食材レパートリーに追加することは、食文化の土台を水平方向に伸長させ、食文化の総ボリュームを拡張する(図1)。 図1. 食材のレパートリーは食文化を形成する基盤である。 すなわち、未知の食材の開拓は、食
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