塩谷町役場から北西に直線約11キロ。指定廃棄物の最終処分場候補地は、いく筋もの沢が流れる同町上寺島の国有地に選定された。広さ約3ヘクタール。林道と谷の間の段丘面に位置する。近くには全国名水百選の一つ、尚仁沢湧水もある。30日午後、候補地を訪ねた。 町役場から北西に車を走らせ10分程度。眼下に深い青をたたえた湖面が広がる。西荒川ダムでせき止められた東古屋湖。平日のためか釣り客の姿は見えない。 処分場候補地の下流で、最も近い場所にある集落が東古屋地区。候補地近くを流れる沢から水を引き飲用している。夏場は地下水も潤沢で、生活用水として利用することもあるという。 代々400年以上にわたり住んでいるという君島喜久さん(90)。現在は、ひ孫まで含めた4世帯で同居する。正午すぎ。孫の嫁にあたる由佳理さん(25)は、候補地選定の知らせを聞き「想像もしていなかった」と驚いた。名水もある。水源のダムもある。「