地下のマグマで熱せられた蒸気を利用する国内の大規模地熱発電所で、蒸気が減って発電出力が大幅に下がる事態が相次いでいる。 想定より蒸気量が少なかったことが主な原因とみられ、地熱発電などの再生可能エネルギーの利用拡大を掲げる国は「発電量の大幅減少につながりかねない」として、人工的に蒸気を増やす実験で打開策を探っている。 事業者団体の2013年度のまとめでは、出力1万キロ・ワット以上の大規模な14基のうち、東北と九州の6基で出力が国への報告より3割以上低くなった。資源エネルギー庁によると、1基は水蒸気爆発事故が原因だが、他の5基は蒸気量の減少が主な原因である可能性が高いという。 福島県 柳津 ( やないづ ) 町の柳津西山地熱発電所(東北電力)では、1995年度の運転開始時には国内最大の出力6万5000キロ・ワットを誇ったが、蒸気は次第に減少、2012年度以降は2万キロ・ワット台に落ち込んだ。失