リオデジャネイロ市から飛行機を乗り継いで北へ約2時間。降り立った町並みに、五輪を祝う装飾は見あたらなかった。 ミナスジェライス州のイパチンガ市は、ブラジル初開催となる五輪の聖火リレーを辞退した町だ。 市役所へ向かった。ルシオ・ヘイス広報局長が「やりたかったけれどお金がなかった」と話した。 5月中旬に市内の3・8キロをリレーでつなぐ計画を立てていた。約25万人の市民が聖火を身近に感じれば、「何か新しいものが生まれる」と期待した。 市の財政は火の車 ところが聖火リレーを呼ぶには、市が18万レアル(約560万円)の運営費を捻出しなければならなかった。 製鉄で栄えた市の財政は今、火の車だ。昨年は市の税収が約10%減った。12月に支払うはずだった市職員らへのボーナスは、この6月まで手当てできなかった。教育も医療も、お金が足りない。 市の幹部が顔を突き合わせ、何度も会議を開いた末の決断だった。市民生活
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