神殿にはラムセス2世(右)らが描かれていた=エジプト考古最高評議会提供 【カイロ=田井中雅人】エジプト考古最高評議会は21日、シナイ半島北部のスエズ運河東側で、古代エジプト新王国第18、19王朝(紀元前1550〜同1186年ごろ)のものとみられる四つの神殿を発見したと発表した。 最大の神殿は泥れんが造りで、縦80メートル、横70メートルの敷地にあり、厚さ4メートルの防護壁で囲まれていた。「天空の神」であるホルス神や、繁栄を築いた第19王朝のラムセス2世らの肖像が描かれていた。 神殿は古代の軍事道路沿いに位置し、補給拠点だったことを示す貯蔵庫群も見つかった。評議会は「シナイ半島で最大の発見の一つ。国土防衛の拠点であり、外国からの訪問者に繁栄を印象づける狙いもあった」とみている。