栃木県栃木市で末期がん患者のケアに取り組む「在宅ホスピスとちの木」所長の渡辺邦彦医師(49)が往診に使う乗用車が、全国で初めてパトカーや救急車と同じ緊急自動車に指定された。 「一刻も早く痛みを和らげてあげたい」という渡辺医師らの訴えが、在宅ホスピスの往診車も緊急自動車と認める道交法施行令の改正につながった。 渡辺医師は「患者が身近な人に囲まれ、最期まで自宅で生活が送れるように」と、2006年にホスピスを開設した。医師1人、スタッフ6人で県内全域を対象に訪問診療をし、急な呼び出しにも24時間体制で対応。これまでに約200人の患者をみとり、毎日の移動距離は200キロを超える。 しかし、那須や日光などの観光地も多い栃木県では、行楽シーズンに渋滞に巻き込まれることも多く、患者の元に着くのが1時間近く遅れることもあった。このため、07年末には2か月余りで患者や近隣住民ら4500人分の署名を集め、警察