かつてのヴェスレイ・スナイデルは、触れるものをすべて金に変えてしまう力を持っているかのようだった。インテルが3冠を達成した際の英雄の一人である。ジョゼ・モウリーニョの率いるチームで最大限に力を発揮していた彼をインテルから引き抜こうと、ヨーロッパ中のチームが何度も画策したものだった。だがやはり、サッカーとは絶えず変化し続けるスポーツである。今日の王者が明日には問題の種となってしまうこともある…。 チームにとって、決して必要不可欠ではない選手とはどういうものか。今季のスナイデルは、それを身をもって体験している。ラニエリのインテルは、かつてモウリーニョがつくり上げたものとは明らかに異なる。元チェルシー、ローマ、ユヴェントス監督のラニエリが愛するのは、クラシックな4−4−2のフォーメーション。スナイデルのようなトップ下の選手の存在を前提としない戦術スタイルである。 レッチェに敗れた試合では、ラ