生後7カ月の長男が細菌に感染して衰弱しているのに、宗教上の理由から病院に連れて行かずに死なせたとして、福岡県警捜査1課などは13日、殺人容疑で、福岡市東区の宗教法人「新健康協会総本部」職員高月秀雄容疑者(32)と妻で同職員の邦子容疑者(30)=いずれも同区唐原=を逮捕した。同課は医療放棄による殺人事件として東署に捜査本部を設置し、全容解明を進める。 捜査本部によると、2人は教義に従って手をかざすことで病気やけがを治すとされる「浄霊」をしただけで、定期健診なども受けさせていなかった。いずれも容疑を認め、秀雄容疑者は「病院に行こうと思った時期もあったが、結果的に子供を見殺しにした」と供述、邦子容疑者は「自分もそう育ててもらったので、きっと良くなると信じていた」などと述べているという。 逮捕容疑は、昨年2月に生まれた長男嘉彦ちゃんが、アトピー性皮膚炎などの悪化で細菌に感染し、重篤な状態だった