防衛省が保管する多くの公文書ファイルが、インターネットで公表される目録に抽象的な名称で登録され、国民が検索しづらい状態になっていることが毎日新聞の取材で明らかになった。イラク復興支援に関するファイル名を「運用一般」とするなど抽象化されたファイルは2016年度分で約4万件に上る。公文書管理法のガイドラインは国民に分かりやすい名称をファイルに付けるよう定めているが、その趣旨に反する実態が放置されている。【大場弘行、片平知宏、日下部聡】
<解説> 今回公表されたイラク派遣部隊の日報は、現地の様子を伝える一次資料として価値は重い。現地の厳しい治安状況などをうかがわせる記述が随所に見られた。ただ、これまで明らかになっている陸自宿営地へのロケット弾の着弾を含む二〇〇四年三月~〇五年三月の一年分の大半が含まれておらず、危険度が高まった時期の日報は抜け落ちていた。 陸自が派遣終了後に日報などを基にまとめた「イラク復興支援活動行動史」などによると、宿営地への初めての着弾は〇四年十月二十二日。同三十一日には、ロケット弾が宿営地内の荷物コンテナを貫通した被害が出たが、この日の日報はなかった。宿営地への計十三回の攻撃のうち、十一回分の日報がない。 自衛隊のイラク派遣は海外での武力行使を禁じた憲法九条との整合性が問われたが、政府は自衛隊が活動する地域は「非戦闘地域」だと説明し、世論の反対を押し切った。本当に「非戦闘地域」だったのか、今回公表さ
民進党の小西洋之参院議員が17日、現職自衛官を名乗る男性から「お前は国民の敵だ」と繰り返しののしられたと、参院外交防衛委員会で明らかにした。防衛省は、統合幕僚監部に勤務する30代の幹部自衛官とみて調査している。 小西氏によると、16日午後9時ごろ、国会前の路上を歩いていた際、現職自衛官と名乗る男性から「お前は国民の敵だ」とののしられた。男性は、近くにいた複数の警察官が駆け付けた後も同様の発言を繰り返し、小西氏が防衛省に連絡すると告げても発言をやめなかったが、最終的には発言を撤回し、謝罪したという。 小野寺五典防衛相は同委員会で、この件についてすでに報告を受けているとし、「自衛隊の服務の問題になる。事実関係を確認した上で適正に対応する」と述べた。(古城博隆)
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防衛省が国会で「不存在」と説明していた自衛隊のイラク派遣部隊の日報が見つかった問題で、防衛省の内部調査は不十分だとの批判の声が上がっている。小野寺五典防衛相は批判を受けて元検事の弁護士を補佐役に加えたが、野党側は第三者機関による調査を要求。調査対象が陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)疑惑に限定されていることも問題視されているが、早期の事態収拾を優先する小野寺氏は消極的だ。 「国会で第三者的な見方を入れてほしいと要請があった。専門家に見てもらい、より公正に調査を進めてほしい」。小野寺氏は13日夕、大野敬太郎防衛政務官が率いる内部調査チームに元東京高検検事長の上田広一弁護士を補佐役として加えると発表した。与党からも「外部からの声も必要」(河村建夫元官房長官)との指摘が出ており、小野寺氏は上田氏の起用で批判をかわしたい考えだ。
止まらない「隠蔽の連鎖」 次から次へと、まるで「打出の小槌」のように日報が出てきている。 昨年、防衛省が当初は「廃棄済で存在しない」と言っていた南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊の日報が、後に出てきて大きな問題になった。防衛監察本部の特別防衛監察の結果、陸上自衛隊がこれを組織的に隠蔽していたことが明らかになり、関係者は処分された。 そして今回、昨年2月に当時の稲田朋美防衛大臣が不存在と国会答弁していたイラク復興支援活動の日報も、陸上自衛隊の複数の部署で保管されていたことが判明した。さらに、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチといった歴代PKOの日報の存在も明らかになった。 私は2016年9月に南スーダンPKOの日報を情報公開請求した。これに対して防衛省は同年12月、日報は「既に廃棄して不存在」という決定を行った。決定通知を読んで、私はすぐさま隠蔽を疑った。なぜなら、海外派
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