はじめに エンジニアないないという記事を読んで、「そうそう、専門の人と一般の人って、結構認識違ってたりするよなぁ」と思ったので、スパコンについて似たようなことを書いてみようと思います。オープンキャンパス的なイベントで来訪者にスパコンについて説明したりしている時に質問されたことが中心です。 スパコン使えばものすごいゲームできるんですか? これ、わりとよく聞かれるんですが、基本的にはできません。「ものすごいゲーム」のイメージは、例えば「ものすごいグラフィック」「ものすごく精密な物理エンジン」「ものすごく大量のキャラクター」なんかだと思うんですが、そもそも一般的なスパコンはリアルタイム処理向けに作られておらず、「バッチジョブ」という形で計算を予約して、計算資源が空いたら実行される、みたいな使い方をします。スパコンは「一ヶ月かかる計算を1日で処理する」みたいな加速は得意ですが、「0.1秒かかる処理
かつて世界一の計算速度を誇った日本のスーパーコンピューター「京」を超える性能を持つ後継機の製造がことし3月から始まっていて、14日、主要な部品が公開されました。 14日は、演算を行うコンピューターの頭脳とも言えるCPU=中央演算処理装置と、計算速度を上げるためCPUを複数つなぎ、冷却も行うシステムボードと呼ばれる装置1台が都内で報道陣に公開されました。 スーパーコンピューターの開発競争は世界的に激しくなっていて、単純に計算の速さを競う「LINPACKベンチマーク」では、2011年には日本の「京」が1位でしたが、その後、アメリカや中国に抜かれ順位を落としています。 後継機は、「京」の20倍の演算速度を誇るCPUを搭載するなど性能を向上させ、同じ条件でシミュレーションを行うと、最大で「京」の100倍の計算速度を実現し、世界トップクラスになるということです。 さらに、メモリとCPUの間で行われる
ヤフーは6月19日、ExaScalerとHPCシステムズ協力のもと、スーパーコンピュータ「kukai」(クウカイ)を開発したと発表した。ディープラーニング活用に特化し、省エネ性能の高さも特徴。「GPUを使った従来の社内環境と比べ、演算処理性能が理論上約225倍になった」という。 kukaiは、スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」で世界2位を獲得。処理性能も460.7TFLOPS(1秒間の演算回数)を記録した。同社は、「大規模なディープラーニング処理を短時間・低コストで行える」理由を3つ挙げる。 まずは、最先端の冷却技術「液浸」(えきしん)の採用。ファンを使った空冷と異なり、電気を通さない特殊な液体に直接ハードウェアを漬け込むことで冷却効率を高めた。 また、米NVIDIAの最新GPU「Tesla P100」を160基搭載。液浸による効率的な冷却を可能にするExaScaler独自
「京」を利用したユーザによる2014年度の利用報告書に「Cコンパイラのバグがあり、計算結果の整合性を確認する必要があった」という主旨の記述がありました。 本障害については、2013年10月に認識した後、翌月には修正を行い、問題は解決済みです。また利用者に対しても同月に状況説明を行っております。 現状において「京」の計算結果について問題があるとは認識しておりません。 (2016/7/29 20:25、2016/7/30 19:00 追記)
2016年6月 スパコンの世界ランキングTOP500で 突如No.1に躍り出た神威 太湖之光(Sunway Tianhu Light) 中国勢を除けばトップとなる Titan - Cray XK7 , Opteron 6274 16C 2.200GHz, Cray Gemini interconnect, NVIDIA K20x に対して4倍の絶対性能を示した。 絶対性能計測を指標とするTOP500ベンチに対する批判の声を反映して、電力効率ランキング Green500 がある。 しかし、その地球に優しいスパコン・ランキングGreen500でも第3位。 本当に驚異的なのはスパコンとしての性能ではなく、枯れたテクノロジーの水平思考とその組み合わせだけで構築した独自アーキテクチャだった。 枯れたCPU単品のスペックから見ていこう クロックは1.45GHzと、スマホ未満の低クロック。 プロセスも4
埼玉県和光市の理化学研究所。洗濯機ほどの大きさの銀色の箱が5つ並ぶ。中をのぞき込むとおびただしい数のケーブルが液面から伸びていた。8月、米大の研究者が「省エネ世界一」と認定したスーパーコンピューター「菖蒲(しょうぶ)」だ。開発したのはペジーコンピューティング(東京・千代田)などベンチャー2社。わずか23人で1年で開発した。「エネルギーの制約を解決しないと、スパコンの用途は広がらない」。社長の斉
情報処理における全国のエキスパートが一堂に会したリクルート主催の「春の情報処理祭」。HPC(High Performance Computing)研究分野の専門家である、京都大学の中島浩教授は、HPCの役割や速さの秘密について説明するとともに、HPCがビジネス全体にもたらす影響を語ります。コンピュータの性能を生かすために知っておくべき、HPCの基礎知識とは?(春の情報処理祭in京都より) ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)とは 中島浩氏:(BGM「Let It Be」を流しながら登場)さすがにビートルズの「Let It Be」ぐらいは知っているかな。皆さんが生まれるずいぶん前の歌ですけれども。 『アナ雪(アナと雪の女王)』というのがあって、あっちは「Let It Go」なんですね。こっちは「Let It Be」で、何が違うのか。英語のニュアンスはほとんど同じなんですけれども「L
アールエスコンポーネンツはこのほど、名刺サイズのスーパーコンピュータボード「Parallella board」の国内販売を「RSオンライン」で始めた。32GFLOPSの演算用アクセラレータを搭載し、複数を連結して高速並列処理をさせることも可能だ。価格は1万3500円(税別)から。 スーパーコンピューティングを一般にも広げる狙いからKickstarterで資金調達に成功したプロジェクトで、米Adaptevaが開発・製造。ARMベースの制御用SoCと演算用アクセラレータ「Epiphany III 16 core」の2チップを名刺サイズ基板に搭載する。1GバイトDDR3メモリ、USB 2.0ポート、Ethernetポート、microSDカードスロットも備え、HDMI出力も可能だ。 データシートによると、Epiphany IIIは16のRISCコア(1GHz動作)を搭載し、ピーク性能は32GFLO
並列計算アーキテクチャ「CUDA」と東工大で運用されている大規模計算能力を持つスーパーコンピュータ「TSUBAME2.0」を使った最先端研究の成果を、東京工業大学青木尊之教授に聞いた。 スーパーコンピュータ「京」の登場や、事業仕分けをめぐる政治家の発言により一時注目されたスーパーコンピュータ。東京工業大学(以下、東工大) 学術国際情報センターの青木尊之教授は、2013年8月1日に開催された「高校生のためのCUDAサマーキャンプ2013」で、「CUDA」と「TSUBAME2.0」を使った最先端研究の成果を語った。CUDAはGPUを利用した並列計算アーキテクチャであり、TSUBAMEは東工大で運用されている大規模計算能力を持つスーパーコンピュータである。今、GPUを搭載したスーパーコンピュータで、何ができるのか。
昨晩放送されたNHKのクローズアップ現代「超高速計算が起こす“新・産業革命”〜スパコン「京」のひらく未来〜」を見た。本来ならば「スパコンを使ったシミュレーションを使えば...」と一般名詞を使うべき部分をことごとく「京を使えば...」と言い換えているため、すっかり「ちょうちん番組」に成り下がっている。 「なぜ京なのか?」という部分が私には全く伝わって来なかったのだが、この番組を見た人の大半の人は、「京ってすごい。事業仕分けなんかしなくて良かった」と感じたに違いない(というか、そうなるように作られている)。 この番組を見て、私の頭の中には以下のような疑問が次々と浮かんだのだが、この番組はこれらの疑問に答えていないどころか、疑問を提示すらしていないのが何とも残念だ。 本当に大量の税金をつぎ込む価値があるのか?税金を使うにしても、もっと別の方法があるのではないか? 無料で京を使わせてもらえる研究機
スーパーコンピューター並のシステムすら構築できる強力なハードとソフトオープンソースで開発、誰でも99ドル(約7700円)から利用できるようにしよう、というプロジェクトが「Parallella」です。 Parallella: A Supercomputer For Everyone by Adapteva — Kickstarter 「今、私たちは1つのプロセッサーが1つのタスクを行うというシングルスレッドコンピューターを使っています。それはそれですごいことなのですが、処理頻度の限界やメモリーのボトルネックという問題に直面し、近年パフォーマンスの改善は望まれているレベルに達していません。この状況が続けば、過去30年間我々が経験してきた、毎年毎年コンピューターのパフォーマンスが向上するという状況は終わります。そして、その問題を解決するための答えがパラレルコンピューティングです」と語るのがこのプ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く