ホークスが2017年の日本一を決めた夜。 デニス・サファテが取材に応じてくれたのは、とっくに日付が変わった午前2時頃だったと思う。勝利の美酒をたっぷり浴びたせいだろう。笑顔で緩んだ頬がほんの少し赤く染まっていた。彼は元々饒舌なナイスガイだ。だけど、さすがにあの時はどこか疲労感を隠しきれない表情に映った。 日本シリーズ史に残る「サファテの36球」 この年のサファテの活躍ぶりは本当に凄かった。レギュラーシーズンでは前人未到の54セーブ。加えて同年4月にはマーク・クルーンが保持していた外国人投手の通算セーブを抜き去って歴代1位に立ち、7月には通算200セーブの金字塔も打ち立てた。 そして日本シリーズである。対戦相手はベイスターズ。第2戦、第3戦でそれぞれ1回無失点に抑えて2セーブを挙げ、かくしてホークスが3勝2敗で迎えた第6戦だ。サファテの渾身の投球にチームが奮い立った。 江夏の21球ならぬ日本