30回以上の訪中経験があり、中国通で知られる民主党の副大統領候補、ティム・ウォルズ。そんな彼とカマラ・ハリス大統領候補という「意外な」組み合わせは、逆に中国政府を悩ませているという。それはなぜなのか、英誌「エコノミスト」が分析する。 中国のプロパガンダに反するハリス 中国政府とその政治アナリストたちは、米国大統領選について頭を悩ませている。突然米国大統領候補になった女性には訪中経験もなく、習近平国家主席と会ったのも一瞬だけだ。ハリスと、ミネソタ州知事のティム・ウォルズ陣営の候補選出によって、中国政府には2つの問題が生じた。 まず、ハリスとウォルズの陣営は、「米国政治は人種差別的で消極的だ」という中国の解釈を揺るがすことになる。さらに、もしハリスが当選すれば、同政権がどのような対中政策をとるのかは未知数だ。それは単にハリスの中国に関する経験が限られているためだけではなく、ウォルズはここ数十年