退陣表明したはずの菅直人首相が、与野党に高まる早期退陣要求をかわし続けている。一度辞意を口にしたリーダーは急速に影響力を失うのが常識。それを打ち破ろうとするかのように、次々と政策課題をぶち上げ、少なくとも八月まで続投する構えを崩していない。首相が驚異的な粘りを見せる理由は。(政局取材班) 首相が二日、内閣不信任決議案の採決直前の民主党代議士会で、退陣表明してから半月。この間、二〇一一年度第二次補正予算案や再生可能エネルギー推進など政策課題への意欲を連発するなど、退陣どころか、続投に向けて、やる気満々だ。党内には「来年九月の党代表任期まで続ける気ではないか」との臆測さえ流れている。 仙谷由人官房副長官や玄葉光一郎政調会長ら政権中枢からも早期退陣を突き付けられ、四面楚歌(そか)の状態。閣僚や党幹部が相次いで辞任し、首相を退陣に追い込む戦略がささやかれても、「首相は自分は辞めずに、新しい人を補充