いまや世界一の宇宙企業としておなじみとなった「スペースX」を率いるイーロン・マスク氏は、7月19日(米国時間)、ワシントンD.C.で開催された「国際宇宙ステーション研究・開発会議」(ISS R&D Conference)に登壇し、開発中のロケットや宇宙船に関する最新情報を明らかにした。 これまでマスク氏が、スペースXの将来、ひいては宇宙開発の未来について語るとき、まるで不可能ではないかとも思えるようなことを堂々と語り、さらに彼独特の比喩やジョークを交えつつ、つとめて明るく話すのが恒例だった。今回の会議にマスク氏が登壇することが明らかになったときも、「また何か、びっくりするような発表があるのでは」と予想する人は多かった。 しかし、その予想は裏切られ、彼の口から語られたのは、現在進めているロケットや宇宙船の開発における苦難と、そして挫折、計画の見直しだった。それはおそらく、公に向けてスペースX