「サリンジャーは隠れる。ピンチョンは逃げる」。 と、どこかの批評家がいっていたらしいですが、実は正体はあのJ・D・サリンジャーなんじゃないか? なんて噂が(冗談まじりにしろ)立ったこともある謎の作家、トマス・ピンチョンの『LAヴァイス』が映画化されたというので、早速観てきました。映画のタイトルは『インヒアレント・ヴァイス』。監督はポール・トーマス・アンダーソンです。今回は、この映画の感想を書きます。 映画『インヒアレント・ヴァイス』予告編【HD】2015年4月18日公開 - YouTube ピンチョンとパラノイア 原作『LAヴァイス』を書いた作家トマス・ピンチョンは、1937年ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。ただしこの人、メディアから逃げ回ってめったに姿を現さないことで有名で、そのせいで「謎の作家」なんていわれているようです。私はこの人の作品、『競売ナンバー49の叫び (ちくま文庫)