「ポスト菅」が誰になるのかという以前に、政局のニュースはもう聴きたくもないという人は少なくないと思う。とりわけ、「被災地の復興」の健気な姿の報道とのコントラストで、政治の混迷ぶりが余計に際立つ結果になっている。日本はどうしてこんなにも政治が混迷しているのか、(これをネタに飯を食っている一部の政治評論家を除けば)政治家自身も国民世論も全く訳がわからず、途方に暮れている状態にあると言っていい。 民主党政権が混迷している原因はいろいろあるが、その根本をたどれば2009年の総選挙における、「脱官僚で16.8兆円を捻出」という非現実的な財政マニフェストにある。自民党から「バラマキ4K」などと批判されている政策も、「無駄削減で16兆捻出」を前提にしていた以上、その行き詰まりは当然過ぎる帰結である*1。菅首相が急激に「財政再建」と増税論に舵を切り始めたのも、結局のところ「脱官僚による無駄削減で16.8兆