ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本各地の被爆者らでつくる日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に授与すると発表した。授賞理由について「核なき世界を実現するために尽力し、証言を通じて核兵器が二度と使われてはならないと示してきた」としている。核廃絶や被爆の実相を世界に伝える長年の活動が評価された。 日本の個人や団体への平和賞授与は1974年の佐藤栄作元首相以来で50年ぶり2例目。ウクライナに侵略し核使用をちらつかせるロシアや核開発を加速させる北朝鮮を念頭に、同委員会は被団協に賞を授与することで世界で強まる「核の脅威」に警鐘を鳴らした形だ。2017年には非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に平和賞を授与した。 1956年に結成された被団協は、反核運動と被爆体験の伝承をリードし、後遺症に苦しむ被爆者の救済に取り組んできた。核拡散防止条約(
