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ブックマーク / www.nikkei-science.com (15)

  • 2024年ノーベル化学賞:タンパク質の設計と構造予測に貢献した3氏に|日経サイエンス

    2024年のノーベル化学賞は「コンピューターを用いたタンパク質の設計」の功績で米ワシントン大学のベイカー(David Baker)教授に,「コンピューターを用いたタンパク質の構造予測」で英国Google DeepMindのハサビス(Demis Hassabis)氏とジャンパー(John Jumper)氏に授与される。 タンパク質は20種類のアミノ酸が数珠つなぎになった分子だ。それがくねくねと折りたたまれて,複雑な立体構造をとる。この「数珠つなぎ」と「立体構造」の間に,「50年来の生物学のグランド・チャレンジ」と呼ぶべき,大きな未解決問題があった。タンパク質の立体構造予測だ。 タンパク質の立体構造予測は,タンパク質の生化学はもちろん,創薬や医学研究の観点からも実現が望まれてきた。タンパク質の形状や表面の微細な凹凸などがタンパク質の機能を左右するからだ。 構造予測の歴史 1970〜1980年代

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    advblog 2024/10/10
  • 2024年ノーベル物理学賞:物理学からAIの基礎を築いた2氏に|日経サイエンス

    2024年のノーベル物理学賞は,「人工ニューラルネットワークによる機械学習を可能にする基礎的発見と発明」の功績で,米プリンストン大学のホップフィールド(John Hopfield)名誉教授とカナダのトロント大学のヒントン(Geoffrey Hinton)名誉教授に授与される。 ある技術が社会で広く使われ生活や産業を大きく変えたとき,その原点に立ち戻り,最初の一歩となった成果にノーベル賞が授与されることはしばしばある。今回の授賞がまさにその例だ。物理学賞を受賞した2人は1980年代に,今,最も注目が集まっている人工知能AI)の根幹である人工ニューラルネットワークの基礎を築いた。 ヒントになったのは,磁性の振る舞いを語るのに使われている物理学のモデルだ。磁性体はしばしば,互いに影響を及ぼし合う電子のスピン(自転の向きに相当する)が縦横に並んだモデルで記述される。各スピンはお互いの距離と相互作

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    advblog 2024/10/09
  • アズキ 日本から大陸に渡った作物

    白菜に葱,大根,人参──こうした野菜はどれも日卓に欠かせないものだが,来歴をたどれば全て原産地は海外だ。たとえば白菜の原産地は中国北部,人参の原産地はアフガニスタンやイランのあたりとされる。大陸から海を渡ってきた縄文人や渡来人と同様,野菜もまた海の彼方からこの日列島へやってきたのだ。しかしゲノム解析によって,赤飯やあんこに使われるアズキが縄文時代の日列島で作物に変化し,アジアの大陸地域へ広まった作物であることが明らかになった。この研究を行った,国立研究開発法人農業・品産業技術総合研究機構(農研機構)上級研究員の内藤健に話を聞いた。 続きは2024年2月特大号の誌面でどうぞ。 協力 内藤 健(ないとう・けん) 農研機構遺伝資源研究センター上級研究員。農業への応用の観点から,海沿いや乾燥地,寒冷地など様々な環境に適応する野生アズキ類を幅広く研究している。 サイト内の関連記事を読むゲ

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    advblog 2024/08/26
  • 旧東京天文台三鷹キャンパス(中)|日経サイエンス

    国立天文台三鷹キャンパス(東京都三鷹市)は多摩川の支流によって削られた武蔵野台地の崖(国分寺崖線)の上にある。武蔵野の雑木林の面影がある構内には,国立天文台の源流となる東京帝国大学東京天文台が大正時代末,都心から移転してきた当時に建てられた天文ドームなどがいくつも残り,近代天文学の歩みを肌で感じることができる。もっとも移転当時,工事や観測の妨げになるため木々は伐採されて一面ススキの原になり,富士山を遠望できる別天地だった。戦後,天文台の観測施設が各地に移転し,再び武蔵野の面影を取り戻した。(文中敬称略) 「新宿を起点とする京王電車を調布の次の上石原(現・西調布駅)で降りると,新天文台への新道は停留場前からすぐ起こっている。両側の麦畑や桑畑が尽きると,道は早くも深い雑木林や松林にかかって,そこに秋ならば桔梗,女郎花の類いが路傍の雑草を美しく彩っている。林を抜けると,道は爪先上がりの切通しの坂

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    advblog 2024/05/17
  • 合成生物学のロボコン「iGEM」 世界の学生が競うアイデア|日経サイエンス

    「合成生物学のロボコン」とも言われるiGEM(The International Genetically Engineered Machine competition)の2023年パリ大会,日の高校生チームが初出場で世界の頂点に立った。20年目を迎えるこのコンテストで,大学生や大学院生の部門を含めても日が頂点に立ったことはない。家のロボコンは設定された課題をこなすロボットを作り,それらを競わせて順位を決める。それに対して,iGEMは参加チームが自由にテーマを選び,合成生物学で社会課題を解決するアイデアを発表する。科学オリンピックのように筆記や実技で競うものでもない。学生自らがアイデアを練る自主性が高いコンテストになっている。 関連したスタートアップも次々に生まれている。iGEMの創設メンバーの一人であるナイト(Tom Knignt)らが2008年に設立したギンコ・バイオワークスは,ニ

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    advblog 2024/01/28
  • 縄文犬とニホンオオカミの深い関係

    イヌは最も古くから人間のそばで生きてきた動物だ。2万~4万年前にユーラシア大陸でハイイロオオカミから分かれて,猟犬として飼い馴らされた。日列島には縄文時代に入ってきたとする説が有力で,国内最古のイヌの骨は神奈川県の夏島貝塚から出土した約9500年前のものだ。愛媛県の上黒岩岩陰遺跡では7200~7400年前にイヌを埋葬していたとされる骨も見つかっていて,考古学的な史料からは「縄文犬」が狩猟採集を営む縄文人にとって欠かせない存在だったことがわかる。 最近の研究では,日列島におけるイヌの変遷も少しずつ見えてきた。遺跡から出土した縄文犬の骨からミトコンドリアDNAを抽出して配列を調べたところ,全て縄文犬だけに見られる固有のタイプで,1万1500年前に大陸で他のタイプから分岐していることがわかった。夏島貝塚の年代も考慮すると,イヌは9500~1万1500年前の頃に日列島に入ってきたとみられる。

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    advblog 2024/01/06
  • ちゃんと知りたい! 新型コロナの科学|日経サイエンス

    新型コロナウイルスの発生直後からウイルスの特徴や症状,薬やワクチンの開発状況などを詳しく報じてきた日経サイエンスの記事をベースに全面書き下ろし。最新知見を盛り込んだわかりやすい一冊。 電子書籍配信書店一覧 出村政彬 はじめに 不安な世界のなかで、確かなものを積み上げる 第1章 新型コロナウイルスはどうやって見つかったか 原因不明の肺炎、発生病原体を突き止めろ SARSの時は遠回りだった サイバーとリアルで研究を進める コラム:ウイルスの大きさ/ゲノム? 遺伝子? DNA?/バイオアーカイブ/コッホの原則 第2章 ウイルスってそもそも何? ウイルスは生きている? ウイルスの多様性 ウイルスの一生 コラム:宇宙船型ウイルス/エタノール消毒のなぞ/混ぜるな危険? インフルエンザウイルス 第3章 新型コロナウイルスとは何者か コロナウイルスとその仲間たち 新型コロナウイルスのゲノム配列 細胞侵入の

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    advblog 2021/01/05
  • がん細胞の系統樹が明かした変異のシナリオ|日経サイエンス

    がん細胞に遺伝子変異がしだいに蓄積し,あるところで転移能力を獲得していっそう悪性化する──という従来の線形モデルは誤りらしい。がん細胞の遺伝子変異を進化系統樹に表す新たな研究から,早い段階で生じた変異が,原発腫瘍と転移腫瘍の両方の形成に関与していることが判明した。この早期の変異を標的とする治療法が最も効果的だろう。 再録:別冊日経サイエンス250「『病』のサイエンス」 著者Jeffrey P. Townsend エール大学公衆衛生大学院の生物統計学,ならびにエール大学の生態学と進化生物学の准教授。 原題名The Cancer Tree(SCIENTIFIC AMERICAN April 2018) サイト内の関連記事を読むがん/医学/進化 キーワードをGoogleで検索する系統樹/分子進化系統樹/がん抑制遺伝子/がん原遺伝子/がん遺伝子/ドライバー遺伝子

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    advblog 2018/07/01
  • 仮面ライダーの方程式|日経サイエンス

    「突然の連絡ですが,借金の相談とか宗教の勧誘ではありません」。 もう5年ほど会っていない先輩から,このようなメールを受け取ったのは2017年6月の頭のことだった。僕は大学で物理学の研究をしている。メールを送ってきたのは学生時代に履修していた政治学のゼミの先輩で,その後,東映に勤めていると聞いていた。 状況がよくわからないまま,とりあえず東映社を訪ねた。そこで聞かされたのは,同社が制作しているテレビ番組『仮面ライダービルド』の主人公が物理学者なので,僕に番組のアドバイザーをしてもらいたいという話だった。具体的には,主人公が新たな武器の開発をする際に黒板に書く数式や,番組の中で効果として流すコンピューターグラフィックスの数式を書いてほしいという。 (中略) 最初の依頼は「オープニングで黒板が映るのですが,直後にライダーがバイクで走っているシーンがあるので,黒板に書くための車輪の運動っぽい式を

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    advblog 2017/12/21
  • 2017年ノーベル生理学・医学賞:体内時計を生み出す遺伝子機構の発見で米の3氏に|日経サイエンス

    2017年のノーベル生理学・医学賞は,サーカディアン・リズム(体内時計)を生み出す遺伝子とそのメカニズムを発見した米ブランダイス大学のホール(Jeffrey C. Hall)博士とロスバシュ(Michael Rosbash)博士,ロックフェラー大学のヤング(Michael W. Young)博士の3氏に授与されることになりました。 人間の身体は,24時間のリズムで変化しています。活動や睡眠といった目に見える変化だけでなく,朝が来ると血圧と心拍数が上がり始め,昼には血中のヘモグロビン濃度が最も高くなります。夕方には体温が上がり,夜には尿の流出量が多くなります。真夜中には免疫を担うヘルパーT細胞の数が最大になり,成長ホルモンがさかんに分泌します。こうした周期のことを,サーカディアンリズム(概日リズム)と呼びます。一般には「体内時計」と言ったりもします。 概日リズムの研究は植物から始まりました。

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    advblog 2017/10/03
  • 医療用アイソトープが足りない テクネチウム危機|日経サイエンス

    テクネチウムという物質をご存じだろうか? テクネチウムは原子番号43の元素で天然にはほとんど存在しない。しかしテクネチウム99mという放射性同位体は医療画像の撮影に不可欠で,心臓や血管の障害,骨腫瘍などの診断検査に使われている。病巣に集中したこの同位体が発するガンマ線をとらえて,CTスキャンのような断層像を得る。ところが,テクネチウム99mの製造に使われてきた原子炉が老朽化によって運転を停止し,供給が世界的に不足する事態となった。この同位体は半減期が短いので,作り置きはできない。不足を埋めるため,カナダと米国で粒子加速器などの装置を用いる新たな製法の開発が急ピッチで進んでいる。 著者Mark Peplow 科学ジャーナリスト。誌に執筆した記事に,ナノテクノロジーの医療応用をリポートしたものがある(日経サイエンス2015年8月号)。 原題名Blind Medicine(SCIENTIFIC

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    advblog 2017/04/20
  • シン・ゴジラの科学

    映画『シン・ゴジラ』が大ヒットしている。現実のサイエンスを土台に,「巨大不明生物ゴジラ」というフィクションを立ち上げており,怪獣映画というよりも一級のSF作品として評価した方がふさわしい。製作に協力した研究者の1人は極限環境微生物の研究で知られ,「科学界のインディ・ジョーンズ」の異名を取る広島大学の長沼毅教授。放射線生物学者で,福島第1原発事故の際には専門家の立場からメディアで解説した東京工業大学の松義久准教授も協力している。今回,両博士のほか,深海生物全般に詳しい海洋研究開発機構(JAMSTEC)の藤倉克則上席研究員に話を聞き,『シン・ゴジラ』におけるサイエンスとフィクションを考える。 再録:別冊日経サイエンス254『SFを科学する 研究者が語る空想世界』 著者中島林彦 / 協力:長沼 毅 / 松義久 / 藤倉克則 中島は日経サイエンス編集長。 長沼は広島大学教授(大学院生物圏科学研

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    advblog 2016/10/20
  • 「STAP幹細胞」として用いられたES細胞を特定 東大,東北大など|日経サイエンス

    身体のあらゆる組織になることができ, 無限に増殖することが可能とされた「STAP幹細胞」として 実際に使われたES細胞を特定した 理化学研究所などのチームが作成したSTAP細胞から作られた,あらゆる組織に分化することができ無限に増殖する多能性幹細胞「STAP幹細胞」が,以前から研究でよく使われている「ES細胞(胚性幹細胞)」であることを,東京大学グループと,東北大学などの共同研究チームがそれぞれ突き止めた。論文にはこの細胞からマウスができたとされ,STAP細胞が多能性を持つ証拠とみられていたが,今回の解析でどのES細胞が使われたかが具体的に明らかになった。 調べたSTAP幹細胞は,論文の共著者で,STAP幹細胞からマウスを作った若山照彦理化学研究所発生・再生科学総合研究センターチームリーダー(現山梨大学教授)が保存していたもの。先に若山氏が第三者機関に依頼して解析し,「若山研にはなかったマ

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    advblog 2014/12/26
  • 日経サイエンス 日経サイエンス 2009年2月号

    ブレイン・マシン・インターフェース データを脳へダウンロードG. スティックス非平衡熱力学の教え 「第二法則」は不滅ですJ. M. ルビDNAコンピューターで「三目並べ」J. マクドナルド/D. ステファノビッチ/M. N. ストヤノビッチ驚きの小型NMRスキャナーB. ブリューミッヒ小林・益川理論とBファクトリー(2) CP対称性の破れの起源三田一郎温暖化の究極の解決策!? 地球に日よけR. クンジグ ダイジェスト サイエンス考古学ソビエトのエリート教育/鞭打て!/グレート・ホワイト・フリート/アスマンのガス風船/鉄を工業製品に/ルートビアの効能はUpdates困り者のT細胞をたたく/褐色脂肪でスリムに/ウイルスで作る超小型電池/草原からメタンNEWS SCAN「不気味の谷」の奥深く/プランク衛星いよいよ宇宙へ/顔認識専門の脳領域/落ちそで落ちない量子の不思議/米国が海底観測基地を構想/

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    advblog 2008/12/26
  • 物理定数は変化する?|日経サイエンス

    決して変わらないもの,それを物理学者は自然定数と呼ぶ。光速cやニュートンの重力定数G,電子の質量meなどの定数は,宇宙のいたるところで常に同じ値をとるとされている。物理学の理論は定数をもとに構築され,私たちの宇宙の構造は定数を用いて定義されている。物理学は,定数をより精密に測定することで進歩してきた。 しかし驚くべきことに,いかなる定数の予測も証明も,いまだに成功したためしがない。ただひとつ一貫しているのは,その値の多くがたとえわずかでも違うと,生物などの複雑な構造は存在できなくなるということだ。定数を説明しようとする試みは,自然を完璧に統一的に記述する「万物の理論(究極理論)」を構築しようとする取り組みを後押しする力となってきた。物理学者は究極理論を用いれば,それぞれの自然定数が特定の値をとる理由を論理的に示せるだろうと期待してきた。究極理論が一見気まぐれな世界の根底にある秩序を明らかに

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    advblog 2008/12/09
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