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  • 御札はどうして売れるのか - レジデント初期研修用資料

    神社の御札は、機能がないのによく売れる。構造は簡単で、恐らくは寸分違わぬコピーを量産することも容易であって、神社で販売されている物にしたところで、売っているのは職ではなくアルバイトであることも多い。 熊野神社の牛王符宣誓あたりになると、そもそもあれは和紙に印刷された木版画であって、同じ品質、同じ材料で、レーザープリンターで何枚でも量産できる。同等の機能を持った安価なコピー品をいくらでも作れるはずなのに、神社の御札を求める人達は「物」を求めて、山奥にある神社までわざわざ出向く。 映画であったり音楽であったり、同等機能を持ったコピー品が安価に出回る昨今にあって、神社の御札にはなんのコピープロテクトもかけられていないのに、コピー品を求めるユーザーがどこにもいない。あれはヒントなのだと思う。 宣誓は大事 熊野神社の熊野牛王符は、お守りとして飾られる場合と、誓約書として使われる場合とがあって、

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    agano 2013/03/09
  • 0から1を作った経験 - レジデント初期研修用資料

    たとえば爆弾テロの事例がニュースで報じられれば、たいていの人はたぶん、それを「ひどい事件だな」と思う。テロリストの側に与する人が同じニュースを聞けば、もしかしたら「よくやった」と思うかもしれない。ニュースに対してどんな態度をとるにせよ、ニュースというものはほとんどの人にとっては消費の対象であって、それを経験として蓄積できる人は少ない。 同じニュースを聞いても、見聞した事例を通じて自分の経験値を高める人もいる。爆弾テロの事例ならば、爆弾を自分で作り、爆薬の威力というものを知っている人がそれであって、こういう人がニュースを見ると、「なるほどそういう仕掛けかたもできるのか」と、爆弾の仕掛け方がより凶悪になってみたりする。 どんな分野であれ、ゼロから何かを生み出す経験をした人は、あとは事例を見るほどに、自身の経験が増していく。 経験には2種類ある 100年続くチームを引き継ぎ、体育会のキャプテンと

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    agano 2013/01/12
  • マインドコントロールの基礎 - レジデント初期研修用資料

    うちの家を、まったくの他人が支配してたことがあったという逸話を読んで思ったこと。 リンク先では、「母の友人」としてやってきた正体のよく分からない人が、家族のそれぞれに怪しい働きかけを行うことで、一家が離散寸前まで追い詰められる。 マインドコントロールというと、なんだか怪しげな、複雑怪奇な技法を想像しがちなのだけれど、リンク先の物語で行われていることはたぶん、「君、なんだか評判悪いみたいだね。でも僕は君の味方だから」という文言を、家族の全員に、何度も繰り返していただけなのだろうと思う。 心理的な隔離の効果 上司に当たる人が、組織から誰かをつかまえて、「君、なんだか評判悪いみたいだね。でも僕は君の味方だから」といい含め、組織に戻すと、呼び出されたその人は、他の人を信じられなくなる。他ののメンバーに自分の評判を確認すれば、もちろん「そんなことはない」という返事が返ってくるのだろうけれど、それが嘘

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    agano 2012/10/25
  • 人は禁じられた方向に努力する - レジデント初期研修用資料

    組織やチームの文化というものは、スローガンや目標ではなく、日常の動作やおしゃべりにおけるちょっとした制約が作り出す。 「全部英語」は極端であるにせよ、その会社、その組織、その業界独自の言葉や言い回しを作ったり、あるいは「その場で発してはいけない言葉」を作って共有すると、その場には独自の空気が生まれる。外から入ってきた人が「その組織の人」になるまでの時間は、そうした空気がある場所では大幅に短くなっていく。 制約が空気を作る 「ノー」を禁じた組織には、「ノー」を表現するための語彙が増えていく。「現実的に」を禁じた会議室からは、実際に実現できるアイデアが増えていく。 何か到達したい状態があるのなら、それを目標として声高に叫んでみせるよりも、目標と反対側の単語を禁じてやると、人間は案外、その方向に能力を発揮する。 内科医の会話から「外科」という言葉を禁じると、「外科に相談」みたいに便利な言葉が一切

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    agano 2012/09/23
  • 無能から見える風景 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 無能から見える風景 乱暴な言葉の使いかた 下段の間合いを削る人 何かを呼ぶには3人必要 共通言語としての損得勘定 負けるのは大事 悪い奴らは来なかった 体質改善は怪我に効かない 平凡なのにはわけがある 悪役の深度について Recent Comments 下段の間合いを削る人 05/09 tetsukawa 05/06 medtoolz 05/06 xen 悪い奴らは来なかった 04/30 デフォルトの名無しさん このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 乱暴な言葉の使いかた 05/11 5月10日の気になったニュース:高レベル... 05/09 乱暴な言葉の使いかた

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    agano 2011/05/12
  • 喧嘩する上司の見守りかた - レジデント初期研修用資料

    どんな組織でもたぶん、問題に対してチームが一丸となって当たる時期と、お互いが功を取り、過失を押しつけあう分裂の時期とがある。 問題が大きな状況においては、どれだけ仲の悪い人たちも団結する。そうでないと、自分たちが問題にわれてしまうから。成功が見えてくると、今度は誰が功を取るのか、お互いに裏切るタイミングを探りはじめる。 利害が完全に一致するなら、チームにはそもそも団結の必要がない。あえて「団結」というプロセスを経るのなら、そこには当然利害の対立があって、成功には、「功」の部分と「失」の部分とが入り交じる。問題の解決が近づくにつれて、チームの和は、どうしたって遠のいていく。 上司の喧嘩は、だからしばしば成功が近い徴候でもあるのだけれど、問題の大きさに上司が屈して、問題解決そっちのけで、責任の被せ合いになっていることがまれにあって、これがおっかない。 ニュースでは、 政府が東電を叩き、保安院

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    agano 2011/03/28
    どうか誤解でありますように・・
  • 理不尽にやると上手くいく - レジデント初期研修用資料

    ちょっと前、「ジューサーの中に金魚を入れる」という現代美術の展示があった。 ジューサーの中に金魚と水が入っていて、スイッチだけリモコンで、観客の側に置かれる。観客は誰もがそのスイッチを押すことができるようになっていて、「いつでも金魚を殺せる」という、その感覚が展示になっていた。 金魚の寿命を延ばすもの この展示で、実際にボタンを押せた人はたぶんいないのだろうけれど、これをたとえば、ジューサーに入れた金魚をインターネットで公開して、ネットの向こう側にいる誰もが、匿名のままそのボタンをクリックできるようにしておくと、誰かがボタンを押してしまう。多数決ルールを導入して、「ボタンを押した人が累計で10人を超えたら、ジューサーの電源が入ります」という看板を出しておくと、ボタンが押される閾値はますます下がる。 匿名ルールを廃して、たとえばTwitter のような、押した人をある程度トレースできるメディ

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    agano 2011/02/27
    興味深い/P2PにデータをUploadして捕まる人が後を絶たないのは、一見この法則に従ってるようで実は違うものだから?スピード違反と同じで理不尽に捕まる頻度が低いからかな
  • 集まりや盛り上がりを支えるもの - レジデント初期研修用資料

    エジプトの市民革命は、ピーク時には数万人もの人々が広場に集まって、集会は20日間近く続いて、大統領を退陣に追い込んだ。 ああいう大きな人の流れは、もちろん政府当局に対する市民の怒りがあったのだろうけれど、あれは「数万人規模の人々を20日間、広場で生活してもらう」という、イベント運営の側面もあって、兵站や補給の側面から今回の革命を見直すと、とてもよく考えられていたなと思う。 エジプトのデモ広場を案内する記事を見ると、水場やトイレどころか、病院から幼稚園まで準備されていた。テレビで放映されたデモの映像には、人々が集まった真ん中に正円形のテント村が写っていて、集まった人がなんとなく作ったものにしてはずいぶん整った形をしていたのだけれど、実際に現場で行われていたことは、想像をはるかに超えていた。 べて休まないと動けない 学生時代に手伝い要員として参加したイベントでは、集まった学生を「生活させる」

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    agano 2011/02/14
  • 本が出ることになりました - レジデント初期研修用資料

    昔話 まだまだ駆け出しだった大昔、院から派遣された僻地の病院で、患者さんを「追い出す」役割を仰せつかったことがあります。 80歳をずいぶん過ぎた糖尿病の患者さんで、血糖管理も素行も悪くて、夜になると居酒屋さんに飲みに行ったり、インスリンの量を勝手に変えてみたり、病棟でたばこを吸ったり、とにかく「問題が多い人」という評判でした。 看護師さんたちから「手に負えないから退院を促してくれませんか」とけしかけられて、ろくに事実関係も調べないまま、「不良」患者さんを追い出すために、「白衣を着た保安官」になった気分で病室に乗り込んで、このときは「勝てる」だなんて、当然のように思っていました。 「あなたは約束を守らないし、糖尿病のコントロールもいいかげんだし、入院していても良くならないから、あとは外来でやりましょう」なんて、丁寧に、それでも決然とした口調を意識しながら、自分よりもはるかに年上の患者さんを

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    agano 2011/01/18
  • 作った人の顔を見てみたい - レジデント初期研修用資料

    ソニーが新しいAndroid 携帯を発表して、開発者の人が、インタビューに答えていた。 「特徴を教えて下さい」という質問に対して、開発者は「デザインにあると思います」と答えていて、これは何か違うような気がした。 作った人の自慢話が聞きたい 新しい携帯電話はたしかにきれいなデザインで、薄く作られていて、全体が弓のように反っていて、デザインは特徴的なのだけれど、 特徴が「デザインにあると思います」という答えかたは、エンジニアの言葉ではないような気がした。 エンジニアはそれを作った人なのだから、発表を行ったその時には、まずはユーザーに向かって「こう使ってほしい」という言葉が聞きたかった。 それは「注文」であって「特徴」ではないけれど、特徴というものは、目的だとか、ユーザーへの注文抜きの、単独で語られてしまうと、 どこか他人行儀に聞こえてしまう。エンジニアは、これから発売される製品にとっての「一番

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    agano 2011/01/14
    同意/「日本のお家芸であったのは、わがままで無責任な、 そもそも携帯電話なんかには興味のない「上司の放言」を、ただひたすらに耐えていなして、何とか形にこぎ着ける現場の能力であって」そうかもw
  • ジェットコースターのパラドックス - レジデント初期研修用資料

    もしかしたらパラドックスでも何でもなくて、「こうだよ」という、当然の説明があるのかもしれないのだけれど。 恐怖の使いかたについて。 ジェットコースターの怖さ ジェットコースターのコースは怖いから、あえて恐怖を楽しみたい人たちがあれに乗る。 ジェットコースターのレールは、それでも上手く作られていて、乗客に恐怖を提供しつつ、理屈の上では絶対に脱線しないような構造になっている。 「脱線しない」という前提があったときに、恐怖が増すと、あの乗り物の楽しみかたが、より多彩になる。 ジェットコースターがより「怖く」なるほどに、叫ぶ人、あえて手を離してみせる人、しがみつく人、ジェットコースターの上であえて暴れてみせる人、 恐怖の表現だとか、楽しみかたに様々な個性が生まれて、状況は多彩へと発散していく。 一方で、たとえばジェットコースターの一番高い場所に、あえて平坦な、水平な一道を用意して、そこだけ「安全

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    agano 2010/11/16
  • 「ちゃんと」のコスト - レジデント初期研修用資料

    何かものを作るときには、「シンプルなやりかた」と「複雑なやりかた」とが選べることがあって、 「ちゃんとやれば」同じ結果がシンプルに達成できるやりかたを選んでしまうと、「ちゃんと」のコストが、 構造の複雑さを上回ってしまうことがある。 「単純な機能を達成するために単純な構造を採用する」ことは、基的には正義なのだろうけれど、 単純な構造とトレードオフになっているものが何なのかを見極める必要があって、 それが「精密な加工技術」だとか「名人芸的な設計技術」であった場合、その考えかたに乗っかると失敗してしまう。 機関銃 機関銃には、銃弾の反動を利用した「ショートリコイル方式」と、火薬のガスを利用した「ガスオペレーション」方式とがあって、ショートリコイル方式のほうが部品点数が少ない。 マキシムの機関銃だとか、ブローニングの軽機関銃はショートリコイル方式で、この構造は比較的単純なのだけれど、 ショート

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    agano 2010/11/16
  • 根暗な報酬のこと - レジデント初期研修用資料

    ある日のテストが60点で、頑張って次回80点取れた子供がいたとして、その子はたぶん、「20点増えた」という喜びと、「20点分見下せる奴が増えた」という、根暗な喜びとを、報酬として体感することになる。 努力や頑張りの報酬には、明るく表明できるものの裏側に、必ず根暗な何かがセットになっている。人を誘ったり、説得するためには、もちろん「明るい報酬」を前面に出さないといけないのだけれど、報酬には、常に根暗な側面がセットになっていて、そのことに自覚的でないと、どこかで上手くいかなくなるような気がする。 「明るい報酬」は希望を生むけれど、「根暗な報酬」は、自意識の地盤を固める。脆弱な地盤の上に、希望のお城を打ち立てて見せたところで、お城が大きくなるに連れて、いつかは地盤ごと、お城が倒壊してしまう。 自尊心の不足で疲労する 新しい学問だとか、仕事を立ち上げるときにけっこう大切なのは、「そこで働く人が自尊

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    agano 2010/05/14
    根暗な報酬に対して無自覚なことが多い気がする。気をつけよう。
  • 本が出ることになりました - レジデント初期研修用資料

    研修医時代を過ごした病院には、何年も使われ続けてボロボロで、外科の若手が練習がてら、人工血管や人工硬膜で破れた場所にパッチを当てた、 なんだか異様な見た目のソファーがあって、勤務時間を終えた上の先生がたが集まっては、毎日遅くまで、患者さんのこと、病気のこと、いろんなことを語りあっていました。 夜間の救急外来は1年生の仕事で、救急外来で診断に困った患者さんが来たときには、実際問題「困る」のは日常であったのですが、ソファーのあるその場所に、資料を持って駆け込むと、そこに集った先生がたから、怒られながら、突っ込まれながら、いろんな科から、たくさんのアドバイスがもらえたものです。 現場の問題は、しばしば複数の診療科にまたがっていることがあって、ある科を回っている研修医にとっては深刻な問題が、別の科の先生にとっては常識になっていたりすることも多くて、いろんな科の医師が集まったソファーセットは、専門科

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    agano 2010/03/12
    おめでとうございます/まったく医療関係者ではないのですが、予約しました
  • マスターアップしました - レジデント初期研修用資料

    2009病棟ガイド の名前で昨年から製作を続けていたマニュアルが一応完成し、データが印刷所に納品されることになりました。 メモ書きの束に過ぎなかった原稿をまとめるのは大変で、原稿をオーム社様に持ち込んだのが昨年12月、その頃から原稿は、Subversion を用いたバージョン管理が導入されるようになりましたが、上の先生がたに査読をお願いしたり、編集部の方にレイアウトを直していただいたり、訂正箇所は膨大で、最終的に、原稿のリビジョンは120に及びました。 結局このはなんなのかと言えば、「平凡な医療の劣化コピーを簡便にまとめたもの」である、ということになるのだと思います。 世の中にはもちろん、たくさんの正しい教科書があって、それを読み、理解することができれば、正しい知識を身につけることができます。いい教科書がたくさんある現状で、それでも「劣った教科書」を出す意味というものがあって、恐らくそ

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    agano 2010/03/02
    医療関係者ではないですが、出たら読みます
  • ガタがあるからうまくいく - レジデント初期研修用資料

    先週の日曜日には、熱を出した子供さんが100人近く来た。休みが明けて、外来が始まって、 もちろん「それ以上」を覚悟していたのだけれど、外来は、平和なままだった。 インフルエンザはたしかに流行しているんだけれど、パンク寸前の休日外来は、 みんな「休みだから」病院に来てたわけで、「熱が出たから」病院に来た人は、実は案外少なかった印象。 遊びが減ってこうなった 社会から「遊び」要素が減って、平日にみんな、休めなくなった。 土日をずらして営業していた病院というのもあって、一時期はうまく機能していたんだけれど、結局みんな止めてしまった。土日外来の収益自体はよかったのだけれど、世の中が土日休みで回ってるから、役所とか学校とか、「平日」を要求する場所がシビアになって、スタッフに子供ができると、組織が瓦解しちゃうんだという。 世の中の遊びが減って、しわ寄せが、緊急避難装置的な場所に集まって、結果として、救

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    agano 2009/11/06
    参考:トム・デマルコの「ゆとりの法則」 ⇒ http://www.amazon.co.jp/dp/4822281116
  • 努力は報われないほうがいい - レジデント初期研修用資料

    現在進行形ですごい状態にある人を見て、「僕も頑張ってああなるんだ」なんて、 その人と同じ場所を目指して頑張るのは、危険なことだと思う。 何かの間違いがあって、頑張ったその人の成功を許してしまった業界は、その時点で詰んでしまうから。 劣化コピーが承認を求める 同じ方法論で頑張った人は、どうあがいたってオリジナルの劣化コピーにしかなれないものだから、 そういう人は、ものすごく頑張る。頑張った人が、「頑張り」に見合った承認を求めると、 世代を重ねるごとに、「頑張り」のコストはどんどん上がって、そこはたぶん焦土になる。 業界のどこかで「すごい」を観測したのなら、その人と同じやりかたを重ねるのではなく、 「もっと簡単にあそこに到達するにはどうすればいいんだろう」なんて考えないといけないし、 それでも「頑張り」以外の答えが出ないなら、「すごい」その人たちがいなくても何とかなるように、 仕事のやりかた自

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    agano 2009/11/02
    私も頑張るのは嫌い/プログラムなんて頑張らないためのツールだったはずなのに、いつの間にか頑張らないと作れないものになっちゃった気がする。どこで道を間違えたんだろう。
  • 「悪い人」とはつきあいやすい - レジデント初期研修用資料

    ソセゴン中毒のこと 当直あけて、朝も早くからソセゴン中毒の人に怒鳴られた。 麻薬系鎮痛薬の依存になってしまって、いろんな病院を転々とする人はけっこういて、外来でトラブルの種になる。 パターンはだいたい決まっている。外来では診断不可能で、実際痛くて、 入院中は、たしかに痛み止めとして、麻薬系の鎮痛薬を使うような病気。 「慢性膵炎で東京の病院にかかっている」 「今出張中で、紹介状も薬もない」 「痛みが強かったらソセゴンをうってもらえと主治医に言われている」 このあたりがキーワードになる。痛くて車いすに乗ってくるとか、 しわくちゃの、なぜか電話番号だけ入っていない、大学病院の紹介状を一緒に持ってくる人もいる。 痛みというのは患者さんの言葉を信じるしかないから、こういうのは実質診断不可能なんだけれど、 今はそもそも、「外来で麻薬をうってもらいなさい」なんて指示を出す同業者はいないはずだから、 「麻

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    agano 2009/03/02
  • もうすぐ家が建たなくなる - レジデント初期研修用資料

    何となくだけれど、自分たちの業界では、もうすぐ、「家が建たなくなる」気がする。 業界からは、「いわゆる大工さん」がいなくなる。 煉瓦を積む専門家だとか、かんなをかける専門家はたくさん生まれるだろうし、 そうした「部分の専門家」の腕前は、おそらくは昔ながらの大工さん以上に優秀なんだけれど、 家は建たない。 「家建てる人」を目指している研修医は少ないか、もしかしたら彼らは、「家を建てる」ことを避けている。 部分の専門家 自分が昔習った病院は、「部分の専門家」を生み出す方針だった。 患者さんの方針は上司が決めて、研修医は、まずは手を動かす。 胸水のたまった肺炎の人が入院する。チェストチューブを入れるとか、 人工呼吸器をつなごうだとか、そういう決断は上司が行ってくれて、 研修医は上司の監督下に、手を動かす。 手が動くと、なんだか上手になったような気がするから、やる気が出た。 そればっかりやってると

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    agano 2009/01/28
  • 共同体工学のすすめ - レジデント初期研修用資料

    最近考えていることなど。 言葉の定義 「共同体」と「主催者」というものを想定する。宗教団体ならば、教団と教祖の関係になるし、 パチンコ屋さんなら、パチンコ屋さんの門をくぐった顧客は全て、共同体の一員で、主催者は社長になる 共同体はしばしば重なり、見る角度によって様相を変える。 「はてな」という共同体を主催しているのは近藤社長とその周りの人々だし、 「はてな村」という、議論それ自体を楽しむ共同体は、「はてな」と重なるけれど、主催者は異なる 「共同体工学」の目指すもの 上手に制御された共同体は、実体としての力を持つ。「コミュニティエンジニア」は、 共同体に対する操作を通じて、そうした力を引き出そうと試行錯誤する 「共同体の成功」というものを、主催者がそこから取り出した、実体としての力であると定義する 「お金」であったり、投票のような「権利」であったり、行動であったり、主催者が、 共同体から大き

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    agano 2008/11/27