2023年8月に始まった東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴い全面停止した日本産水産物の対中輸出再開に道筋が付けられた。日中間の懸念材料が解消に向けて動き出すが、福島など10都県については引き続き対象外となる見通しで、手放しで喜べない状況だ。 中国政府が、東京電力福島第1原発の処理水放出に伴って停止していた日本産水産物の輸入再開に応じた背景には、トランプ米政権との対立長期化が予想される中で、日本との関係改善を進めておきたい思惑があった。国内経済は失速が続いており、日本との経済的な交流を活発化させるためにも、再開のタイミングを見計らっていた。 「科学と安全の原則、国内法規、国際貿易ルールに従い、輸出再開を求める日本の要請を検討する」。中国外務省の林剣副報道局長は30日の記者会見で、関係部門で手続きを前向きに進めていく方針を示した。 相次ぐ関係改善模索の動き 中国では最近、対日関係改善を模
