愛知県と岐阜県で相次いで発生した豚コレラが、ジビエ業界に深刻な打撃を与えている。田畑を荒らす野生イノシシを捕らえ、食材として活用する取り組みが広がりつつあったが、販売自粛などを迫られている。 愛知県豊田市の山間地にある「猪鹿工房・山恵(やまけい)」は2月初め、約30キロ離れていながら同じ豊田市の養豚場で豚コレラが確認されたことで、イノシシの引き取りを中止した。店長の鈴木良秋さん(67)は「豚コレラは人に影響はないと言われるが、万が一、豚に感染を広げる原因となっては取り返しがつかない」と話す。 駆除したイノシシとシカの肉を有効利用しようと地元有志が立ち上げた店で、今年は創業4年目。ロースやバラ肉のほか、ウィンナーなどの加工肉も扱い、売り上げは徐々に伸びていた。取扱量の9割はイノシシで、昨年4月から今年2月初めまでに約450頭を引き取ったが、今後の入荷の見通しが立たない。「この状態が続くと営業
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