鳥類の多くは4本指だが、ニワトリの一種の烏骨鶏が5本指なのは、ある遺伝子の配列がニワトリとわずかに違うためだと、名古屋大大学院の鈴木孝幸助教らが突き止め、米解剖学会誌に30日までに発表した。 鈴木助教は「親指を2本持って生まれる多指症の遺伝子検査などヒトへの応用や、薬効が高い烏骨鶏の量産化などにつなげたい」としている。 胎児期に分泌されるタンパク質「ソニックヘッジホッグ」が指など各器官への分化を促すことは分かっていたが、詳しいメカニズムは謎だった。鈴木助教らは、このタンパク質の生産を調整する遺伝子の配列を比べ、烏骨鶏とニワトリの塩基にわずか1個の違いがあることを解明。烏骨鶏のこの遺伝子を孵化(ふか)前のひよこに注入したところ、5本指のニワトリが誕生した。