「マンボウビロウドコガネ」。日本昆虫学会員で信州甲虫研究会会長の平沢伴明さん(54)=安曇野市=が、新種のコガネムシに「どくとるマンボウ昆虫記」などで知られる松本市ゆかりの作家、北杜夫さんにちなんだ和名を付けた。今秋、信州昆虫学会の機関誌で発表し、正式に決まる予定だ。 このコガネムシは、友人男性が1994年7月に沖縄県西表島で採取。標本として譲られた平沢さんがことし3月に再点検し、新種と分かった。新種は新種である根拠と和名、学名を論文にし、研究者の精査を経て学会誌などに掲載されて認知される必要がある。平沢さんは学名も「キタモリオ」を入れ、ユーマラデラ・キタモリオイとした。 北さんは信大の前身の旧制松本高校出身で、信大卒の平沢さんの先輩に当たる。2人は86年夏に知り合い、平沢さんが200~300匹のコガネムシの標本を贈るなど、交流してきた。 北さんの昆虫記などに影響されたという平沢さん