曽田貞滋 理学研究科教授らの研究グループは、昆虫の中でも特に種数が多い甲虫において、飛翔能力の退化が種多様化の主要な推進力となってきたことを確認しました。この研究成果は、1月31日付け(ロンドン時間)でNature Communicationsに掲載されました。 昆虫は全生物種の半数を占めており、もっとも種数が多い生物群です。昆虫が繁栄している理由のひとつに、翅(はね)を進化させ、飛べるようになったことがあげられます。飛翔能力の獲得によって、広い範囲で餌や配偶者をさがすことが可能になり、さらに、様々な地域や生息環境へと分布を広げることが可能になりました。しかし、翅とそれを動かす飛翔筋を形成するには大きなコストがかかります。飛翔のために費やす物質・エネルギーを繁殖や生存にまわせば、より多くの子孫を残せる場合もあります。そこで、飛翔筋の退化や、翅そのものの退化によって、飛ばずに生活する方向に進
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