かつてボクは椎名誠編集の『本の雑誌』を第1号から買っていた。創刊はボクが大学2年の時だったと思う。じつは一回だけ読者欄に投稿したことがある。「本そのものの書評も良いけれど、帯の評論も面白いと思う」という内容だった。そのまま第3号に掲載された。編集長から「成毛さん、そりゃ面白い。一緒にやりましょうよ」と、その投稿にコメントがついていた。もし、それに応えていたら間違いなく「本の雑誌社」に就職(助っ人)していたような気がする。ぜんぜん違う人生になっただろう。まちがいなく「東ケト会」には入っていたな。 さて、本書はその椎名誠の4冊目の岩波新書「本の本」だ。16章に分けて面白本を面白く紹介している。博物誌、旅、風、言葉、クソ、未来などに分けて、エッセイ仕立てで本を紹介していく。この軽妙さはプロの業だ。 本書に掲載されている本で、ボクも良いと思った本が何点かある。全部ではないけれど紹介してみよう。 『