京都大iPS細胞研究所の論文不正問題を受け、山中伸弥所長が、給与を当面の間、研究所に全額寄付するとの考えを示していることが25日、分かった。今月の給与から寄付するとしている。 論文の研究費約310万円のうち、一般の人から募った寄付金「iPS細胞研究基金」の二百数十万円が使われていたための措置という。 山中所長は不正を発表した22日の記者会見で「多くの方から頂いた支援が使われてしまった」と謝罪。発表後に対応を検討し、寄付する考えを担当者らに伝えた。 24日に京都市内で行われた講演では、寄付金が使われていたことや今後の寄付活動について、「どうしたら皆さまに納得していただき、自分自身が納得できるのか。最良の方法を探したい」と発言していた。 問題の論文を掲載した米科学誌ステム・セル・リポーツは、山中氏が国際幹細胞学会の理事長を務めていた2012年に、学会と出版社が提携する形で創刊を発表。 科学誌の
性別によって脳の神経回路網(ネットワーク構造)に違いがあることを、和歌山県立医科大学の金桶吉起教授らが研究で明らかにした。女性は月経周期によって変化することも分かり「脳に作用する睡眠剤や抗不安薬の使用を含めた神経精神疾患の治療研究には、性別や女性の月経周期を考慮する必要がある」と指摘している。 脳の神経細胞は150億個あり、互いにネットワークを組み、情報を交換しているが、場所によってつながりの程度の強弱が個人差や疾患により違うことが分かっている。 金桶教授らはこの現象が性別でも見られるか、2012年から研究を開始。国内の大学生男女100人ずつの磁気共鳴画像装置(MRI)による画像を基に調査した結果、男性は前頭葉、女性は後頭葉の付近でつながりが強いことが分かった。 また、女性は月経周期によって脳のネットワーク構造が変化することも明らかになった。特に月経前の症状(頭痛や腹痛、イライラ、不安感な
宇都宮大バイオサイエンス教育研究センターの陽川憲(ようかわけん)特任助教(37)と蔭西知子(かげにしともこ)研究員(38)を含む研究グループは10日までに、植物が麻酔にかかるメカニズムを発見した。食虫植物などの実験により、麻酔が効くと細胞の内外を隔てる「細胞膜」がかく乱され、外部の刺激に細胞が応答できなくなる、などと結論付けた。「なぜ生き物に麻酔が効くのか」。人類が麻酔を使い始めて150年以上たっても完全には解明されていないメカニズムを解く端緒になる可能性もあるという。 2人は前任のドイツ・ボン大学にいた2015年、研究室の教授と共に研究に着手。チェコとイタリアの研究者の計7人で論文をまとめ、英国の国際植物科学誌「Annals of Botany」オンライン版に掲載された。 実験では刺激に反応して動くハエトリグサやオジギソウに麻酔薬を投与し、効き始めると動きが鈍り次第に反応がなくなるのを確
兵庫県内の児童館で5月、20代の女性専門職員が、小学2年の男児に、背後から頭部を軟式野球などに使うバットで殴られ、片耳が聞こえなくなるなどの後遺症を負っていたことが18日、関係者への取材で分かった。 児童館側は発生時、県警に通報せず、6月に職員が被害届を提出して発覚した。県警は男児を児童相談所に通告。職員は「児童館側は子どもの暴力に対して認識が甘いのではないか」と不信感を抱いている。 関係者によると、男児は勤務中の職員を突然殴り、職員は倒れて意識がはっきりしない状態で同僚に発見された。耳や首を損傷し、片耳が聞こえず、めまいが起きる症状が続いている。
雄になるための遺伝子の働きを赤色蛍光で調べられるようにしたミジンコ(上)。赤い部分で遺伝子が活発に働いている(大阪大提供) 生息場所の個体密度や温度などの環境要因で性別が変わる微小生物「ミジンコ」の性別を決める鍵となる遺伝子を発見したと、大阪大の加藤泰彦助教(分子生物学)のチームが海外の科学誌電子版に23日までに発表した。 性別は、ヒトは性染色体で決まるが、ワニやカメなどは周辺の環境要因で変わる。チームは「さまざまな生物の性決定メカニズムやその進化の解明につながる可能性がある」としている。 チームはこれまで、環境要因に刺激されて働くようになる、雄になるための遺伝子を発見。この遺伝子の働きを、生きたミジンコの体内で調べられるようにして研究した。
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