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  • ドーパミンによるアミロイドβ分解機構の発見

    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター 神経老化制御研究チームの綿村 直人 研究員(研究当時、現 客員研究員)、垣矢 直雅 研究員(研究当時)、西道 隆臣 チームリーダーらの国際共同研究グループは、アルツハイマー病(AD)[1]の初期病理学的因子であるアミロイドβ(Aβ)ペプチド[2]の分解酵素「ネプリライシン[3]」が、脳内神経伝達物質の一つであるドーパミン[4]によって制御されていることを発見しました。 研究成果は、ADの予防・治療法の開発に貢献すると期待されます。 今回、国際共同研究グループは、培養細胞を用いた網羅的スクリーニングにより、ドーパミンがネプリライシンの活性を調節していることを明らかにしました。また、化学遺伝学的手法によって、腹側被蓋野(ふくそくひがいや)[5]におけるドーパミン作動性神経細胞を長期的に活性化し、ドーパミン放出を促すと、その投射先である前頭前皮質にお

    ドーパミンによるアミロイドβ分解機構の発見
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    agrisearch 2024/08/10
    「アルツハイマー病(AD)[1]の初期病理学的因子であるアミロイドβ(Aβ)ペプチド[2]の分解酵素「ネプリライシン[3]」が、脳内神経伝達物質の一つであるドーパミン[4]によって制御されている」
  • デジタルツイン農業で地球を健康に

    植物の成長を助ける菌根菌などを活用し、環境にも植物にも負荷をかけない農業を研究している市橋 泰範 チームリーダー。ビッグデータを集め、サイバー空間でダイズを"栽培"し、市場取引まで研究を広げることで地球と人類とのよいバランスを探究しています。 農業をデータで記述する 「人類は地球からエネルギーをもらって生きています。しかし、今、プラネタリーバウンダリー(地球の限界)を超えずに地球の回復力の範囲内で活動することの重要性が指摘されています。ですから、品質や収量だけでなく、地球とのバランスをとる農業を探究し『地球と人類の健康』を目指したいのです」 これまでは、微生物、土壌など各分野の専門家がそれぞれの立場から、作物の品質や収量を高めるための手法を探究してきた。いわば、"縦割り"の研究だ。「そこに"横串"を通したのがマルチオミクス解析です」 多様な項目で網羅的にデータを集めるのがマルチオミクス解析

    デジタルツイン農業で地球を健康に
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    agrisearch 2024/07/16
    「多様な項目で網羅的にデータを集めるのがマルチオミクス解析の特徴」
  • 蚊は腹八分目を知る

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 栄養応答研究チームの佐久間 知佐子 上級研究員(東京慈恵会医科大学 講師(研究開始当時))、東京慈恵会医科大学 熱帯医学講座の嘉糠 洋陸 教授らの共同研究グループは、哺乳類の血液中に存在する「フィブリノペプチドA(FPA)[1]」が、ネッタイシマカ[2]の吸血を停止させる作用を持つことを発見しました。 研究成果によって、ウイルスなどの病原体を媒介する蚊の根源的な行動である吸血の仕組みの理解や、人為的に吸血を阻害する手法の開発など新たな感染症対策への応用が期待されます。 宿主の皮膚に止まって血を吸い始めた蚊は、血中に存在する吸血促進シグナルを受容することで吸血を継続させます。多くの場合、蚊は満腹になる(腹部が膨満する)前に吸血を停止し宿主から離れますが、吸血を停止させるシグナルについてはよく分かっていませんでした。 今回、共同研究グループは、宿

    蚊は腹八分目を知る
    agrisearch
    agrisearch 2024/06/21
    「宿主の血液が凝固するときに産生されるフィブリノペプチドAが、吸血の進行に伴ってネッタイシマカの体内で蓄積され、吸血促進シグナルよりも優位に作用して吸血を停止させることを見つけました」
  • 新種のサクラ | 理化学研究所

    理研仁科加速器科学研究センター イオン育種研究開発室の阿部 知子 室長らが開発した新種のサクラを紹介します!JFC石井農場と共同開発による成果です。 理研の加速器「リングサイクロトロン」から発生する重イオンビームを照射して突然変異を誘発させてつくり出しました。 新品種の作り方(重イオンビームによる変異誘発技術) 緑がかった花を咲かせる桜「御衣黄(ぎょいこう)」(写真右)に重イオンビームを照射して突然変異を誘発させてつくり出したもので、淡黄色の花を咲かせます。その花は、黄色ピンクのふちに明黄緑色の筋が入り、咲き始める頃には淡黄緑白色で、終わりの頃に淡黄ピンクが広がり、美しい色の変化が見られます。通常、開花時期は4月中旬頃で、約2週間と長期間にわたり花が楽しめます。花の形は半八重で、4~5センチ程度の大きさをしており、元親の御衣黄と違った新品種となりました。 「仁科」は理研の加速器の父・仁科芳

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    agrisearch 2024/06/13
    「理研の加速器「リングサイクロトロン」から発生する重イオンビームを照射して突然変異を誘発させてつくり出しました」
  • 植物の発根を促進する新規機能性アミノ酸を同定

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 代謝システム研究チームの多部田 弘光 基礎科学特別研究員、平井 優美 チームリーダー(名古屋大学 大学院生命農学研究科 客員教授)の研究チームは、植物に含まれる非タンパク性アミノ酸の一種である2-アミノピメリン酸が発根作用を持つことを発見しました。この機能性アミノ酸を与えることで、幅広い双子葉植物における発根の促進やバイオマス収量の増加が期待できます。 植物の成長や環境応答の制御は、収量増加を目指した汎用性が高い農業戦略であり、以前から盛んに研究が進められてきました。近年では、植物への添加によって乾燥耐性を強化したり、収量を増加させたりすることができるバイオスティミュラント[1]を活用する農業技術が注目を集めています。 研究では、添加実験をベースにした表現型解析の結果から、2-アミノピメリン酸が双子葉植物の根系[2]の形態変化に関与する機能性

    植物の発根を促進する新規機能性アミノ酸を同定
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    agrisearch 2024/06/13
    「2-アミノピメリン酸が発根作用を持つことを発見」
  • 光合成細菌を窒素肥料に

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター バイオ高分子研究チームの沼田 圭司 チームリーダー(京都大学 大学院工学研究科 教授)、シャミタ・ラオ・モレ-ヤギ 客員研究員(京都大学 大学院工学研究科 特定助教)、京都大学 大学院農学研究科の木下 有羽 助教、元木 航 助教(研究当時)らの共同研究グループは、破砕・乾燥処理した海洋性の非硫黄紅色光合成細菌[1]のバイオマス[2]が作物栽培の窒素肥料として利用可能であることを明らかにしました。 研究成果は、既存の窒素肥料に替わる持続可能な窒素肥料の開発に貢献すると期待できます。 海洋性の非硫黄紅色光合成細菌であるRhodovulum sulfidophilumは窒素と二酸化炭素の固定が可能であり、これを破砕・乾燥処理したバイオマスは11%(重量比)もの窒素を含有しています。共同研究グループはそのバイオマスを肥料として利用し、植物がバイオマス

    光合成細菌を窒素肥料に
    agrisearch
    agrisearch 2024/06/13
    理化学研究所と京都大学の共同研究「破砕・乾燥処理した海洋性の非硫黄紅色光合成細菌のバイオマスが作物栽培の窒素肥料として利用可能」
  • 赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学

    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーらの国際共同研究グループは、科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒントを発見しました。 研究成果は、赤ちゃんの泣きに困る養育者のストレスの軽減や、虐待防止につながると期待できます。 黒田公美チームリーダーらは2013年、親が赤ちゃんを運ぶとおとなしくなる「輸送反応[1]」をマウスとヒトにおいて発見しました。しかしこの研究では、運ぶ時間が約20秒間と短く、かつ運ぶのをやめると赤ちゃんは再び泣き出すという課題がありました。 今回、国際共同研究グループは、赤ちゃんが泣いているとき、母親が抱っこして5分間連続で歩くと、泣きやむだけでなく、約半数の赤ちゃんが寝付くことを発見しました。また、親の腕の中で眠った赤ちゃんをベッドに置くとき、赤ちゃんが目覚めやすいのは親から体が離れるタイ

    赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学
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    agrisearch 2024/06/11
    理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター親和性社会行動研究チーム
  • 全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター ゲノム解析応用研究チームの寺尾 知可史 チームリーダー(静岡県立総合病院 臨床研究部 免疫研究部長、静岡県立大学 薬学部ゲノム病態解析講座 特任教授)、劉 暁渓 上級研究員(研究当時:ゲノム解析応用研究チーム 研究員; 静岡県立総合病院 臨床研究部 研究員)、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター シークエンス技術開発分野の松田 浩一 特任教授らの共同研究グループは、大規模な日人の全ゲノムシークエンス(WGS)[1]情報を分析し、日人集団の遺伝的構造、ネアンデルタール人[2]およびデニソワ人[3]由来のDNAと病気の関連性、そしてゲノムの自然選択が影響を及ぼしている領域を複数発見しました。 研究成果は、日人集団の遺伝的特徴や起源の理解、さらには個別化医療[4]や創薬研究への貢献が期待されます。 今回、共同研究グループは、バイオバン

    全ゲノム解析で明らかになる日本人の遺伝的起源と特徴
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    agrisearch 2024/04/18
    「日本人の祖先に関わる三つの源流(縄文系祖先、関西系祖先、東北系祖先)の起源…現生人類(ホモ・サピエンス)の最も近縁とされる古代型人類ネアンデルタール人やデニソワ人から受け継いだ遺伝子領域を特定」
  • 理化学研究所が企画した「一家に1枚 世界とつながる“数理”」が公開

    文部科学省が毎年4月の科学技術週間にあわせて制作する学習資料「一家に1枚」について、令和6年度版のテーマとして理化学研究所が企画した「世界とつながる"数理"」が選ばれ、2024年3月25日にダウンロード用画像が文部科学省の科学技術週間のページに公開されました。 ポスターは全国の小学校・中学校・高等学校、大学等へ配布されている他、今後、科学館や博物館などでも配られる予定です。また、紙面の内容をより掘り下げた特設ウェブサイトも公開する予定です。 制作に当たっては、理研数理創造プログラム(iTHEMS)の永井 智哉 コーディネーターをはじめとした研究者や事務部門の職員を含めた理研所内外の制作チームにより制作監修をしました。 「数学を道具として使うこと」で世界のものごとを理解したり答えを出したりする「数理」をテーマに、数理が私たちの生活でどのような形で使われているのかを、さまざまな事例をもとに紹介

    理化学研究所が企画した「一家に1枚 世界とつながる“数理”」が公開
  • 量子もつれの伝達速度限界を解明

    理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センター 量子複雑性解析理研白眉研究チームの桑原 知剛 理研白眉チームリーダー(開拓研究部 桑原量子複雑性解析理研白眉研究チーム 理研白眉研究チームリーダー)、ヴー・バンタン 特別研究員、京都大学 理学部の齊藤 圭司 教授の共同研究チームは、相互作用するボーズ粒子[1]系において量子もつれ[2]が伝達する速度の限界を理論的に解明しました。 研究成果は、多数のボーズ粒子が相互に作用することで生じる量子力学的な動きを理解する上で新しい洞察を提供すると同時に、量子コンピュータ[3]を含む情報処理技術における根的な制約を解明することにも寄与すると期待されます。 量子力学で現れる最も基的な粒子であるボーズ粒子が相互作用を通じてどのくらいの速さで量子的な情報を伝達できるのか、という問題は長年未解決でした。 共同研究チームはリーブ・ロビンソン限界[4]と呼

    量子もつれの伝達速度限界を解明
  • 植物免疫受容体の進化の軌跡を解明

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 植物免疫研究グループの白須 賢 グループディレクター(環境資源科学研究センター 副センター長)、ブルーノ・ポクマン・ゴウ 基礎科学特別研究員、門田 康弘 専任研究員らの国際共同研究チームは、植物の免疫受容体[1]の進化の軌跡を解明しました。 研究成果は、植物免疫の起源と進化の理解につながるとともに、得られた知見を用いることで、植物のゲノム情報から免疫受容体として働く遺伝子と発生・成長に関わる遺伝子を迅速かつ正確に予測できるようになりました。 国際共同研究チームは、公開されている350種の植物ゲノム情報から、細胞膜に局在する受容体をコードする遺伝子を約21万個抽出して比較解析を行いました。そして、病原体の侵入を認識する免疫受容体群(ロイシンリッチリピート(LRR)[2]受容体型リン酸化酵素(LRR-RLKs)[3]、およびロイシンリッチリピート

    植物免疫受容体の進化の軌跡を解明
  • 微細藻類ユーグレナのゲノム編集技術を拡張

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター バイオ生産情報研究チームの野村 俊尚 研究員(科技ハブ産連部 バトンゾーン研究推進プログラム 藻類資源アップサイクル研究チーム 研究員(いずれも研究当時)、現 山形大学 農学部 准教授、環境資源科学研究センター バイオ生産情報研究チーム 客員主管研究員)、持田 恵一 チームリーダー(科技ハブ産連部 バトンゾーン研究推進プログラム 藻類資源アップサイクル研究チーム 副チームリーダー)、科技ハブ産連部 バトンゾーン研究推進プログラム 藻類資源アップサイクル研究チームの鈴木 健吾 チームリーダー(株式会社ユーグレナ エグゼクティブフェロー)らの共同研究グループは、微細藻類ユーグレナの産業利用種であるユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)[1](以下、ユーグレナ)において、Cas12a RNP複合体[2]を用いた高効率ゲノム編

    微細藻類ユーグレナのゲノム編集技術を拡張
  • 花が散りゆく仕組みを遺伝子から解明 | 理化学研究所

    花が散りゆく仕組みを遺伝子から解明 -オートファジーにより、古い花びらの根を狙い撃ちして除去していた- 奈良先端科学技術大学院大学(学長:塩崎 一裕)先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域の山口 暢俊 准教授、伊藤 寿朗 教授、白川 一 助教、郷 達明 助教、中部大学の鈴木 孝征 教授、名古屋大学の石黒 澄衞 准教授、理化学研究所 バイオリソース研究センターの市橋 泰範 チームリーダー、同環境資源科学研究センターの豊岡 公徳 上級技師らの共同研究グループは、ノーベル生理学・医学賞でも注目された「オートファジー」という細胞内のタンパク質などを自ら分解する機能を使って、植物が古くなった花びらを除去していることを解明しました。この成果により、花が散る時期を人為的に調節できるようになれば、長持ちする花を作るなど、園芸や農業の分野での応用が期待できます。 詳細は奈良先端科学技術大学院大学の報道発

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    agrisearch 2024/02/26
    「オートファジーにより、古い花びらの根本を狙い撃ちして除去していた」、奈良先端科学技術大学院大学ほか
  • エタノールがトマトの高温耐性を高めることを発見

    理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 植物ゲノム発現研究チームの関 原明 チームリーダー、戸高 大輔 研究員、筑波大学 生命環境系の草野 都 教授らの共同研究グループは、トマトへのエタノールの投与により、高温ストレス耐性が強化されることを発見しました。 研究成果は、農作物の高温耐性を強化する技術の開発に貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、トマトの幼植物体に、安価で入手しやすいエタノールを投与した後、高温ストレス環境下に置きました。その結果、高温ストレス後の生存率が向上することおよび高温ストレスによる果実の生育ダメージが低減することを見いだしました。遺伝子発現や代謝産物の量的変化を網羅的に解析したところ、エタノールの投与によって、1)LEAと呼ばれるストレス応答性遺伝子の発現量が増加すること、2)グルコースやフルクトースなどの糖類が蓄積すること、3)増加すると生体に

    エタノールがトマトの高温耐性を高めることを発見
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    agrisearch 2024/02/26
    「理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター 植物ゲノム発現研究チームの関 原明 チームリーダー、戸高 大輔 研究員、筑波大学 生命環境系の草野 都 教授ら」
  • 「科学道100冊」シリーズベスト盤、「科学道100冊 傑作選」を発表

    「科学道100冊」シリーズベスト盤、「科学道100冊 傑作選」を発表 -理研の研究者 × のプロ・編工研が選ぶ、良書100冊- 日で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所(理研)[1]との可能性を追求する編集工学研究所[2]による「科学道100冊」プロジェクト[3]。書籍を通じて、科学者の生き方や考え方、科学の面白さや素晴らしさを届けることを目指し、選りすぐりのを紹介しています。 シリーズ第7弾となる今回は、これまでの「科学道100冊」シリーズを総括した「傑作選」を発表します。 「科学道100冊」プロジェクトの歩み 2017年にはじまった「科学道100冊」プロジェクトは、全国の書店・図書館教育機関でフェアを展開し、多くの人に科学の良書との出会いを提供してきました。2019年からは中学生・高校生を中心とした幅広い層に対して、科学の多様な魅力を継続的に伝えるべく、毎年恒例の企画

    「科学道100冊」シリーズベスト盤、「科学道100冊 傑作選」を発表
    agrisearch
    agrisearch 2023/12/02
    理化学研究所と編集工学研究所
  • 焦点距離を変えられるメタレンズを開発

    理化学研究所(理研)光量子光学研究センター フォトン操作機能研究チームの田中 拓男 チームリーダー(開拓研究部 田中メタマテリアル研究室 主任研究員)らの国際共同研究グループは、光の偏光で焦点距離を制御できるメタレンズを開発しました。 研究成果は、超小型のデジタルカメラや光学顕微鏡、光学センサーなど小型で高性能な光学機器の創出に貢献すると期待されます。 今回、国際共同研究グループは、入射する光の偏光方向を変えるだけで焦点距離が変化するメタレンズの開発に成功しました。メタレンズとは光の波長よりも細かなナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)スケールの人工構造によって構成されるレンズで、わずか750ナノメートルの厚みしかない極薄のレンズです。このメタレンズを構成するナノ構造を特定の光の偏波(偏光)にのみ応答するように設計して、光の偏光方向を変化させることでレンズの焦点距離を自在に

    焦点距離を変えられるメタレンズを開発
  • カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来

    理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター 染色体分配研究チームの三品 達平 基礎科学特別研究員(研究当時、現 客員研究員)、京都大学 生態学研究センターの佐藤 拓哉 准教授、国立台湾大学の邱 名鍾 助教、大阪医科薬科大学 医学部の橋口 康之 講師(研究当時)、神戸大学 理学研究科の佐倉 緑 准教授、岡田 龍一 学術研究員、東京農業大学 農学部の佐々木 剛 教授、福井県立大学 海洋生物資源学部の武島 弘彦 客員研究員らの国際共同研究グループは、ハリガネムシのゲノムにカマキリ由来と考えられる大量の遺伝子を発見し、この大規模な遺伝子水平伝播[1]がハリガネムシによるカマキリの行動改変(宿主操作[2])の成立に関与している可能性を示しました。 研究成果は、寄生生物が系統的に大きく異なる宿主の行動をなぜ操作できるのかという謎を分子レベルで解明することに貢献すると期待されます。 自然界では、寄生

    カマキリを操るハリガネムシ遺伝子の驚くべき由来
  • 国宝油滴天目茶碗の曜変(光彩)の秘密を探る

    理化学研究所(理研)光量子工学研究センター 先端光学素子開発チームの海老塚 昇 研究員と開拓研究部 石橋極微デバイス工学研究室の岡 隆之 専任研究員(研究当時)の研究チームは、国宝油滴天目(ゆてきてんもく)茶碗[1]の青紫色の光彩、いわゆる曜変(ようへん)の発色を油滴(油の滴に似た斑点)の反射と釉薬(ゆうやく、うわぐすり)の2次元回折格子[2]構造によって説明しました。 研究成果は油滴天目茶碗や曜変天目(ようへんてんもく)茶碗の鑑賞のために最適な照明を提案できる上、釉薬の配合や焼成(焼き締め、焼結)方法を解明する糸口になると期待されます。 曜変とは漆黒の釉薬が厚くかかった建盞(けんさん。中国の宋時代の10~13世紀に建窯(けんよう。中国福建省にあった名窯)において焼成された、鉄質黒釉(こくゆう)の天目茶碗)の内面に大小さまざまな斑点が浮かび、その周りが暈(かさ)のように青く輝き、その

    国宝油滴天目茶碗の曜変(光彩)の秘密を探る
    agrisearch
    agrisearch 2023/10/11
    「釉薬表面のシワと金属鉄膜から成る裏面に反射層を持つ2次元回折格子であると仮定すると、照明の反射光の周囲に見られる青紫色の光彩を説明できることを明らかにしました」
  • 転写の瞬間を撮影して、生物学上の長年の謎を解決!

    生命の設計図、ゲノムDNAは糸巻きのようなタンパク質に巻き付いて、細胞の核の中にコンパクトに収納されています。DNAの中にある遺伝子を読み取るときにはDNAを糸巻きから外す必要がありますが、外した後の糸巻きがどうなるかは謎でした。関根 俊一 チームリーダーらの研究グループは、外れた糸巻きが元通りになるまでの一連の過程を撮影することに成功し、この謎を解決に導きました。 遺伝子発現に潜む謎 私たちの細胞の中にある染色体46分のDNAを全部つなぐと、約2メートルの長さになる。DNAは「ヒストン」というタンパク質に2周ほど巻き付いて「ヌクレオソーム」という小さな構造をつくる。膨大な数のヌクレオソームが数珠つなぎになったものが「クロマチン」である。「クロマチン構造は、長大なDNAを小さな核の中に収納する仕組みであるとともに、DNAのどの部分をいつ働かせるかということを制御する重要な機能を担っていま

    転写の瞬間を撮影して、生物学上の長年の謎を解決!
    agrisearch
    agrisearch 2023/09/23
    理化学研究所 生命機能科学研究センター 転写制御構造生物学研究チーム
  • 持続可能な農業のための堆肥-土壌-植物相互作用モデル

    理化学研究所(理研)生命医科学研究センター 粘膜システム研究チームの宮 浩邦 客員主管研究員、大野 博司 チームリーダー、マイクロバイオーム研究チームの須田 亙 副チームリーダー、バイオリソース研究センター 植物-微生物共生研究開発チームの市橋 泰範 チームリーダー、光量子工学研究センター 光量子制御技術開発チームの守屋 繁春 専任研究員、和田 智之 チームリーダー、環境資源科学研究センター 代謝システム研究チームの平井 優美 チームリーダー、環境代謝分析研究チームの菊地 淳 チームリーダー、千葉大学大学院 園芸学研究院の児玉 浩明 教授、金沢大学 疾患モデル総合研究センターの西内 巧 准教授、福島大学 農学類の二瓶 直登 教授、北里大学 医療衛生学部の佐藤 隆司 講師らの共同研究グループは、堆肥-土壌-植物の相互作用モデルを構築することに成功しました。 研究成果は、持続可能な農業の

    持続可能な農業のための堆肥-土壌-植物相互作用モデル