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2012年9月1日のブックマーク (2件)

  • 役に立たない研究の効能 | 大栗博司のブログ

    東京によってから、ベルリンに来ています。 フンボルト大学の理工系キャンパスの近く、ベルリンの南東部の湖沼地帯にある会議施設に滞在しています。ドイツが東西に分かれていた時代から、東ベルリンで毎年開催されてきた素粒子論の国際会議で、東西統一後も続き、今年で第41回目だそうです。 ベルリンには2010年の春に3ヶ月滞在したので、懐かしいところです。 ⇒ 当時のブログ 左の写真は、会議場の庭から湖をながめたことろです。ルネ・マグリットの絵のような風景だったので、貼ってみました。 さて、日数学会が年に4回刊行している『数学通信』の2012年夏季号に、巻頭言を書きました。 タイトルは「役に立たない研究の効能」。編集部のご了承を得て、ここに転載します。 役に立たない研究の効能 一昨年の秋に、カリフォルニア工科大学の数学教室の方々から数学教授を併任にならないかと聞かれました。私は物理学者として教育を受け

    役に立たない研究の効能 | 大栗博司のブログ
  • ダイヤよりも硬く、羽毛よりも軽く――炭素が開く新材料

    炭素は新材料の宝庫だ。フラーレンやグラフェン、カーボンナノチューブが新しいエレクトロニクスを支える素材として活躍している。だが、炭素の可能性はまだまだ尽きない。ダイヤモンドよりも硬い素材、羽毛よりも軽い素材……。2012年春以降に発見された新材料を紹介する。 炭素は「炭」素という名称のためか、地味な材料として捉えられてきた。黒鉛(グラファイト)が工業上は最も重要で、ダイヤモンドや無定形炭素も広く使われているものの、新材料という扱いは受けていなかった*1)。 *1) これらの物質が研究開発の対象となっていないという意味ではない。例えば、無定形炭素は微細な黒鉛の結晶が無秩序につながったものであり、特に品質を制御したカーボンブラックは導電性付与剤として電池の性能や品質を高めるために必要不可欠な材料である。 このような状況が変わったのは1980年代以降である。1985年のフラーレン(C60)の発見