東北大学は9月13日、琉球列島全域を包含するように奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島(宮古-八重山諸島)の10の島々で調査地域を設定し(画像1)、サンゴ礁上や沿岸部に分布する「津波石」と呼ばれるサンゴ巨礫(きょれき)の有無を地質学的に調べることで、琉球海溝沿いにおける巨大地震と津波の発生頻度や規模の特徴を評価した結果、台風の高波起源の巨礫は琉球列島全域に存在するのに対し、津波石は先島諸島にしか分布していないことが明らかになったと発表した。 成果は、東北大 災害科学国際研究所 災害リスク研究部門 低頻度リスク評価研究分野の後藤和久准教授、同・今村文彦教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、9月6日付けで米学術誌「Geology」オンライン版に掲載された。 琉球海溝沿いでの過去の巨大地震や津波に関する情報は、日本のほか地域に比べて少なく、この地域における防災対策上の大きな障害となっている。