周りの人からみると大したことではなくても、なぜか恥ずかしくて言えないことというのが存在する。 コルクは、行動指針の一つ目を「さらけだす」とした。社員にさらけだしてもらうためには、僕自身も勝手に恥ずかしがっていないで、そういう気持ちをしっかり言語化していかねばならない。それで、やっと書く気になれた。 僕は小説家を目指していた。講談社に入社する時も、退社は小説家になってだと思っていた。ベンチャーを起業して退社するなんて、夢にも思っていなかった。 高校生3年生の春、受験勉強をしないといけなかったけど、集中できなかった。それで文藝春秋が主催している作文コンクールのようなもの「文の甲子園」というのに、短編小説を書いて応募した。原稿用紙5枚くらいの短い短編だ。審査員は、野田秀樹、養老孟司、俵万智と豪華な顔ぶれだった。当時、まだ携帯電話を高校生が持つ時代ではなかった。最終選考に残って、最終結果が、授業中