富士通が理化学研究所と共同開発している次世代スーパーコンピューター「京(けい)」で使用するサーバーの製造作業=28日、石川県かほく市の富士通ITプロダクツ 政府の行政刷新会議による事業仕分けで「2位じゃ駄目なんでしょうか」と皮肉られ、物議を醸した次世代スーパーコンピューター「京(けい)」の一部が完成し、石川県かほく市にある富士通グループの工場から28日、初出荷された。来秋の稼働時には計算速度で世界トップとなる見込みだが、その座は堅牢ではない。スパコン全体では優位に立つ米国勢を中国が追い上げる構図となっており、日本は遅れをとっている。国家の威信にもかかわるスパコン開発のあり方は、いまだ不透明だ。 出荷が始まったのは、富士通と独立行政法人の理化学研究所が共同開発しているスパコンを構成するサーバー。神戸市の理研施設内に計800台超を設置してつなぎ、稼働時に「世界トップの性能」(富士通の佐相秀幸副