「舞城王太郎の『阿修羅ガール』の受賞に反対したのは私ひとりだった。選考会は最初からそういう流れで蓋をあけてしまったので、私は反論する意欲もほとんど失せて、他の4人の委員に、この小説のどこがいいのかと教えを請うたが、その意見にも納得することができなかった。」第16回三島由紀夫賞の選評に、宮本輝が「お子さま相手」と題して書かれたものです。逆に言えば、他の4人の選考委員には、支持されたということになります。他の選考委員とは、筒井康隆、高樹のぶ子、福田和也、島田雅彦の4人です。 「文学賞メッタ斬り!」の中で豊崎由美は、文体で読ませる作家は「舞城王太郎か町田康くらい」として、舞城王太郎の「阿修羅ガール」を大いに持ち上げています。「舞城氏の文章は一見乱暴に、思いつきで書き殴っているかのように見せ、実は句読点の打ち方から文章の〆方にまで最新の注意が払われている計算尽くしのスタイルなのだから、それがわから
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