6月14日(土)から公開の映画『私の男』。天災でひとりぼっちになった花(二階堂ふみ)を引きとった遠縁の淳悟(浅野忠信)。 だが、養父と娘の関係を超えた、ただならぬ親密さに、周囲の目が厳しくなる。ふたりは逃げるように、故郷・北海道から東京へと移り住む。やがて、彼らの生活を脅かす人物が現れ、人生が狂いだしていく。桜庭一樹の小説を映画化した熊切監督に、主演の浅野忠信、二階堂ふみの俳優としての凄みを聞いた。 前編はこちら ───二階堂さんは、オーディションで決めたそうですね。会場に来た瞬間、「花がいる」と思われたそうですが、どういうところが花だったのでしょうか。 熊切 それは別作品のオーディションだったんですけど、たまたま制服で来ていた二階堂さんが、なんとなくぼんやり頭で描いていた花にすっとピントが合ったんです。たいていの俳優さんは、オーディションには、「おはようございます!」と元気に来るんですよ