編集: 小沢あや(ピース株式会社) 取材・構成: かなめゆき 撮影:小原聡太 荻窪・西荻窪・吉祥寺エリアで20年以上暮らす、歌人の穂村弘さん。短歌はもちろん、 “日常で感じる感覚のズレ”など、世界を新鮮な角度から照らすようなエッセイでも人気を博しています。 そんな穂村さんは、中央線のこのエリアについて「物質とお金という軸以外のパラレルワールドを求める人に向いている」と表現します。その意味とは? 西荻は「戦闘力の低い人が多い」ゆるやかな空気感が魅力 ―― 荻窪・西荻窪・吉祥寺のエリアは、クリエイターの中でも書籍関連のお仕事をする方が集まる印象があります。実際はいかがでしょう。 穂村弘(以下、穂村):ライターさんや編集者だらけですね。短歌関係の人も多くて、枡野浩一さんや、木下龍也くん、古くは中井英夫も西荻にいたみたい。この辺りに自由業の人が集まるのは、やっぱり平日の昼間に大人がうろうろしていて
「ダサいこと禁止」「配信の回転数を意識」…『ランジャタイのがんばれ地上波!』演出が明かす編集哲学「私はエゴサーチの鬼ですね」【連載・てれびのスキマ「テレビの冒険者たち」】 破天荒な芸風としてのパブリックイメージを持つお笑いコンビ・ランジャタイの冠バラエティ『ランジャタイのがんばれ地上波!』では、伊藤幸司、国崎和也がその破天荒さをも破壊するような柔軟な立ち回りで番組を盛り上げている。 『ランジャタイのがんばれ地上波!』企画・演出の秋山直氏は、国崎を「たぶん全部できるから、全部やらない」人と評し、伊藤を「内に秘めたものがスゴい」人(前編参照)と語る。『がんばれ地上波』は「地下ライブ」の空気を色濃く感じる稀有な番組だが、実は秋山は『マツコ&有吉 かりそめ天国』ではチーフディレクターも担当している。 聞き手は、『1989年のテレビっ子』『芸能界誕生』などの著書があるてれびのスキマ氏。テレビ番組の制
全世界累計発行部数は驚異の2億7000万部(*1)超え。1994年に連載開始し、来年2024年に30周年を迎える『名探偵コナン』(以下、コナン)。 恋愛、コメディ、アクションなどさまざまな要素を内包する同作の影響力は計り知れず、いまやあらゆるジャンルで「コナン好き」を公言する新世代作家が登場するほど愛される作品となった。しかし、その核にあるのはやはり「ミステリ」。CINRAではミステリとしての、物語としての『コナン』の影響力を探るべく、推理小説家・斜線堂有紀に話を聞いた。 いまや国民的な作品となった『コナン』は、現在のミステリ小説シーンにどんな影響を及ぼしているのだろうか? ―斜線堂さんはSNSで「『コナン』原作を全巻読んでいる」とおっしゃっていたり、映画についてつぶやいたりしていらっしゃいますね。ミステリ界や文壇でも『コナン』の話題が上がることはありますか? 斜線堂:すごくあります。それ
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011)を代表とした「秩父三部作」など、数々のアニメ―ション傑作を生み出してきた脚本家、岡田麿里。そんな彼女が放つ最新作が、この『アリスとテレスのまぼろし工場』だ。今回は、アニメファン待望の俊英の最新作を忖度なしでご紹介する。(文・司馬 宙)【あらすじ 考察 解説 評価】監督を務めたのはアニメ界の俊英・岡田麿里c新見伏製鐵保存会まずは、岡田のこれまでの代表作を簡単におさらいしておこう。 はじめに、岡田の名を世界に知らしめた『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』(通称『あの花』)だ。2011年にフジテレビ系列で放送され、2013年には劇場版が公開された本作は、死んだ幼馴染が幽霊となって目の前に現れるという描写から人間の成長や絆を描き、“泣けるアニメ”として大きな話題を呼んだ。特に、舞台となった埼玉県・秩父市への聖地巡礼が大きなブームとな
[インタビュー]「OCTOPATH TRAVELER II」の音楽演出は綿密な打ち合わせによって生まれていた。西木康智氏と宮内継介氏が語る音楽づくりでこだわった点とは 編集部:だび スクウェア・エニックスのRPG「OCTOPATH TRAVELER」シリーズ。2018年に発売された第1作「OCTOPATH TRAVELER」の発売から5周年を迎えた現在では,2020年にスマホ向けアプリ「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」が,2023年には「OCTOPATH TRAVELER II」(PS5/Switch/PS4/PC)がリリースされるなど,今や同社を代表するIP作品として成長した。 8人の主人公の旅を追体験していくシナリオやブーストを駆使した爽快なバトル,HD-2Dと呼ばれるドット絵と3DCGを合わせた特徴的なグラフィックスなど,さまざまな点がファンから支持されているが,本稿
第1回は、さまざまなタスクをこなす万能型ジェネレーティブAIツール「ChatGPT」の性能の鍵を握る「トークン長(GPTが文脈を意識できる過去の単語数)」やGPTの歴史的経緯について解説しました。第2回はGPTを支える自然言語処理 の分野で使用される深層学習モデル「Transformer」とその根幹となる「Attention機構(そのタスクにおいてどの単語の重要度が高く、注目すべきか決める仕組み)」についてです。TransformerとAttention機構の仕組みを定性的に把握し、それを踏まえてGPTの能力と可能性について考察したいと思います。テクノロジー領域に明るくない人でもわかる記事を目指します。
熱心なコアファンは変わらずにいる一方で、聴取率や広告収入の凋落と長期低迷が指摘されるラジオ業界。 生き残りを懸けて岐路に立つラジオを盛り上げるべく、舞台演劇や東京ドームでのライブイベントなど、番組制作の枠を超えた仕掛けで話題を呼んでいるのがニッポン放送の石井玄(ひかる)さんです。 今回は石井さんをインタビュー、新規リスナー数の増加や収入拡大へ向けた取り組みの背景と狙いのほか、ラジオに懸ける情熱や意気込み、未来への思いを聞きました。 (取材・文:Marketing Native編集部・早川 巧、撮影:矢島 宏樹) ※肩書、内容などは記事公開時点のものです。 ラジオの枠を超えて、放送外収入を増やす取り組み ――肩書はプロデューサー/ディレクター。今は面白いラジオ番組を作るというより、放送外収入を増やす取り組みが中心ということでしょうか。 企画によって立場が異なります。今は演出/プロデューサー/
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