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ブックマーク / webronza.asahi.com (76)

  • 藤井聡太は、「将棋の神様」を挑むように見ていた - 青木るえか|論座アーカイブ

    2月23日、『朝日杯将棋オープン戦』を生観戦した。そして、藤井聡太という棋士の凄さを見せつけられてきた。 藤井聡太がどう凄いのか、将棋をまったく知らない人にもわかるように、今さらであるが説明してみたいと思う。 藤井聡太という人がこれほど名を成しているのは「あんなに若くて、とても強い」からだと、多くの人は思っていると思う。 それはその通りで、若くて強いことに関しては、「まだ20歳なのに、呆れるほど強い」。 将棋を知らない人に「藤井聡太ってどれぐらい強いの〜?」と聞かれるたびに、「死ぬほど強い。鬼のように強い。イヤになるほど強い」と言っている。 それも「超横綱相撲」的な強さ。 「悠然と立ち、相手がぶつかってくるのを悠然と受け、相手のまわしを悠然と取って寄り切り」。そういう強さ。10代の頃から。 こういうのって、往々にして「つまらない」とか言われたりするものだが、つまらないのも度を越すと「すげえ

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  • フランスで「寅さん」上映が大盛況、その成功の理由とは? - 林瑞絵|論座アーカイブ

    フランスで「寅さん」上映が大盛況、その成功の理由とは? パリ日文化会館のアルデュイニ氏に聞く 「私たちには笑いが必要だった」 林瑞絵 フリーライター、映画ジャーナリスト あの「寅さん」にパリジャンが笑い、最後には拍手喝采。山田洋次監督の代表作『男はつらいよ』シリーズの上映が、大盛況となっている。会場はエッフェル塔と目と鼻の先、国際交流基金が運営する文化施設、パリ日文化会館だ。「Un an avec Tora san」(直訳は“寅さんと一緒の1年”/日語の事業名は「『男はつらいよ』全50作品一年間連続上映」)と題されたイベントは、国外で「寅さん」全50作が一挙に紹介される最初の機会となった。 2021年11月20日の先行上映から始まったこの映画のフルマラソンは、2022年を跨いで23年1月に全作上映が終了し、その後数の再上映を経て3月にいったんゴール。だが、大好評につき、今後もさら

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  • 鈴木邦男の正体は「右」か「左」か~「反米」「反共」「愛国」のあわいを生きた言論人 - 石川智也|論座アーカイブ

    鈴木邦男の正体は「右」か「左」か~「反米」「反共」「愛国」のあわいを生きた言論人 ほとばしる情念の魅力と危険を熟知しつつ、テロを防ぐ「対話の効用」をあえて選んだ 石川智也 朝日新聞記者 右派を代表する論客として知られた鈴木邦男(稿では敬称を略させていただく)の訃報が流れたのは1月27日だった。 以来1週間、その死を惜しむ声は左派護憲リベラルからばかり挙がり、右翼から届く声は、控えめに言っても冷ややかなものが多かった。 「脱右翼」したリベラル言論人? 右派にありがちな「言論より行動」を否定し、テロを支持しない姿勢を鮮明にしていた。表現の自由を訴え、「愛国心の強制はいけない」と教育法改正に反対し、「自由のない自主憲法より自由のある占領憲法を」と言い続け、呼ばれるのはいつも護憲派の集会……。 朝日新聞や週刊金曜日にも、好々爺然とした表情の写真とともに自由主義擁護のご意見番として度々登場した

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  • ネトウヨを主人公に据えた“ヘイト本”は、なぜ自主回収されたのか - 清義明|論座アーカイブ

    ネトウヨを主人公に据えた“ヘイト”は、なぜ自主回収されたのか 実在の人物名も登場するディストピア小説『中野正彦の昭和九十二年』出版中止騒動 清義明 ルポライター 作家樋口毅宏氏の小説『中野正彦の昭和九十二年』(イースト・プレス社)が、発売前日になって出版社によって自主回収された。異例の事態である。 発売前日の回収ということは、すでに書店には配されているタイミングだ。販売中止の連絡がすぐには反映されなかったのだろう、アマゾンや一部の出版社ではプレスリリースの後でもしばらくは購入することができた。(現在では売り切れ扱いである) この小説を読むことができた人は他にもいる。もともとは『メルマ旬報』というウェブマガジン(2022年11月に閉鎖)で連載されていたからである。まさかその連載当時の読者は、このような事態になるとは全く想像していなかったのではないか。 この小説が回収されたのは、版元の「刊

    ネトウヨを主人公に据えた“ヘイト本”は、なぜ自主回収されたのか - 清義明|論座アーカイブ
    akihiko810
    akihiko810 2022/12/27
    作家樋口毅宏氏の小説『中野正彦の昭和九十二年』(イースト・プレス社)
  • 「死刑になりたくて殺そうとした」は本当か - 鶴見済|論座アーカイブ

    「死刑になりたかったからやった」と犯行の動機を語る殺傷(未遂)犯を、あまりにも多く目にするようになった。そうした発言は毎度深刻に受け止められ、大々的に報じられている。 けれども自分は、これまでに語れたのとはまったく違う受け止め方をしている。つまりこうした言葉は、それほど真剣に語られたものではないのではないか。時には嘘に近いのではないか。そうした言い方が、いわば“流行っている”だけなのではないか。 大きな犯罪が起きれば、誰もがその理由を知りたがる。そこで容疑者が「死刑になりたかったから」と語れば、待ってましたとばかりにそれがあたかも事の真相であるかのように報道される。 確かにそう語ったのだろうし、死にたい気持ちもあったのだろう。けれどもそれが、当に心の底にあった動機と受け取られていいのか。 もちろんその言葉があってもなくても、そうした犯罪の原因として孤立や貧困など社会の問題を考えるのもいい

    「死刑になりたくて殺そうとした」は本当か - 鶴見済|論座アーカイブ
  • 松村雄策さんの最後の本──『僕の樹には誰もいない』をめぐって - 菊地史彦|論座アーカイブ

    ビートルズに撃ち抜かれた人 10月末、書店の店頭に、松村雄策さんの新刊『僕の樹には誰もいない』(河出書房新社)が並んだ。10冊目の著書は、残念ながら最後の作品にして遺稿集になってしまった。 の紹介を兼ね、松村さんの思い出を少しだけ綴ってみたい。 松村雄策さんが亡くなったのは、2022年3月12日。享年70。『ロッキング・オン』をはじめ、さまざまな場で、ロックミュージックを論じてきた人である。 惜しむ声があちこちから聞こえてきた。いまさらだが、彼の文章や人柄に惹かれた人が、ほんとうにたくさんいることが分かった。 松村さんの在りようと語り口、特にその文体は誰にも似ていなかった。弱いもの小さなもの、貧しいものに優しく、そうでないものを嫌っていた。なくなりそうなもの、顧みられなくなったものが好きで、それらに頓着しない新しいやり方に憤りを持っていた。 ロックだけでなく、プロレスや落語や文学など興味

    松村雄策さんの最後の本──『僕の樹には誰もいない』をめぐって - 菊地史彦|論座アーカイブ
    akihiko810
    akihiko810 2022/11/30
    松村雄策さんが亡くなったのは、2022年3月12日。享年70。『ロッキング・オン』をはじめ、さまざまな場で、ロックミュージックを論じてきた人である。
  • 苦境に陥った2ちゃんねるのひろゆき氏に手を差し伸べた「FOX」という男 - 清義明|論座アーカイブ

    苦境に陥った2ちゃんねるひろゆき氏に手を差し伸べた「FOX」という男 Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー【9】 清義明 ルポライター この連載「Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー」では、第1回「西村博之とジム・ワトキンスの2ちゃんねる骨肉の争い/上」と第2回「西村博之とジム・ワトキンスの2ちゃんねる骨肉の争い/下」で、西村博之(ひろゆき)氏が敗北したジム・ワトキンス氏との裁判、通称「2ちゃんねる乗っ取り裁判」について書いたが、実は両氏には、最高裁で決着がついたこの裁判とは別にもうひとつ争っている裁判がある。その裁判にはこの二人の関係を極めてよく知る人物が登場する。 2ちゃんねると西村氏を考えるうえで、重要な証人になるであろうこの人物に会うため、私は北海道に飛んだ。 その男の名前は、「FOX」という。 ★連載「 Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー」のこれまでの記事は「こらら」か

    苦境に陥った2ちゃんねるのひろゆき氏に手を差し伸べた「FOX」という男 - 清義明|論座アーカイブ
  • 賠償金を払わない「論破王」ひろゆき氏の法の抜け道を使ったトンデモな理屈 - 清義明|論座アーカイブ

    賠償金を払わない「論破王」ひろゆき氏の法の抜け道を使ったトンデモな理屈 Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー【8】 清義明 ルポライター 前回「救済されない旧『2ちゃんねる』の中傷被害者とひろゆき氏の賠償金不払い Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー【7】」に引き続き、「2ちゃんねる」とその管理者であった西村博之(ひろゆき)氏が抱える問題について書く。 ★連載「 Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー」のこれまでの記事は「こらら」からお読みいただけます。 「ペット大好き掲示板事件で示された画期的な判断 今回、まず取り上げるのは「ペット大好き掲示板事件の裁判である。この裁判では、「2ちゃんねる」と匿名掲示板を考えるうえで画期的な判断が示されている。 同裁判は、2ちゃんねるの被害について、はじめて最高裁まで争ったケースで、もちろん西村氏の不作為を認められ、西村氏は敗訴している。この裁判

    賠償金を払わない「論破王」ひろゆき氏の法の抜け道を使ったトンデモな理屈 - 清義明|論座アーカイブ
  • 救済されない旧「2ちゃんねる」の中傷被害者とひろゆき氏の賠償金不払い - 清義明|論座アーカイブ

    救済されない旧「2ちゃんねる」の中傷被害者とひろゆき氏の賠償金不払い Qアノンと日発の匿名掲示板カルチャー【7】 清義明 ルポライター ひろゆき氏を参院選の「応援弁士」にした乙武氏 2022年6月、夏の参議院選挙に立候補を表明した乙武洋匡の選挙活動のキックオフイベントが都内で行われた。 ボランティアと支持者は若者ばかりで、イベント会場も選挙活動には似つかわしくない目黒のオシャレなイベント会場が選ばれていた。そして、その若者たちに囲まれる乙武氏の隣にはあの顔があった。 匿名掲示板2ちゃんねる』の元管理人であり、実業家の肩書でもある西村博之氏である。最近ではユーチューバーといったほうがいいかもしれない。 乙武氏と西村氏は、この前日には渋谷駅前での街頭演説も行っており、二人の軽妙洒脱なやり取りもあり、ネットやメディアの一部では話題を呼んだ。例の飄々としながら毒舌も混じる西村氏とのイベントでの

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  • ひろゆき氏が沖縄を笑えるのはなぜか~多数派の特権と暴力 - 阿部岳|論座アーカイブ

    「悔しくて、1週間ろくに眠れない」と、70代の女性は言った。50代の男性はこの話題になった途端、みるみる目に涙をためて何も言えなくなってしまった。ひろゆき(西村博之)氏の言動は、沖縄の人々の心の奥深いところを傷つけている。なぜなのか、考えている。 始まりは10月3日のツイートだった。「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」。名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前。「新基地断念まで 座り込み抗議 不屈 3011日」という掲示板の横で、満面の笑みを浮かべてピースする写真を添えていた。この時は夕方で、現場に抗議の市民はいなかった。 インターネット掲示板「2チャンネル」創設者で、世論への影響力が強い「インフルエンサー」と称されるひろゆき氏。翌4日には再び辺野古を訪れ、座り込みを続けてきた市民に向かって、なぜか座り込みの定義を説教し始めた。「座り込みの意味をたぶん理解され

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  • 学者たちの沈黙~エンターテイナーが解説する「旧統一教会」「国葬」問題に思う - 三田地真実|論座アーカイブ

    学者たちの沈黙~エンターテイナーが解説する「旧統一教会」「国葬」問題に思う 価値判断の前に、市民が考え・行動するためのニュートラルな情報を 三田地真実 行動評論家/言語聴覚士 社会的に大きく取り上げられる時事問題について、その是非を問うために歴史的背景やそこに至る経緯をもう少し詳しく知りたい、そう思って様々な問題をいつも眺めている。まずは、賛成・反対といった価値判断をなるべく入れない形での情報という意味だ(真に価値判断がない情報というのは多分あり得ないだろうが、なるべくニュートラルという意味においてである)。 今はもちろん「旧統一教会」と「国葬」がホットなテーマで、大メディアでも連日これらの問題を取り上げて報じている。そこから聞こえてくるのは、「~~はけしからん」といったトーンのすでに価値づけされた内容が主に見受けられる。しかし、当に今、一般市民(私もこのテーマに関しては全くの素人だ)が

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  • 非暴力抵抗こそが侵略から国民を守る~非武装の精神で戦争の根を断て 想田和弘と語る(前編) - 石川智也|論座アーカイブ

    非暴力抵抗こそが侵略から国民を守る~非武装の精神で戦争の根を断て 想田和弘と語る(前編) ウクライナへの自己同一と「敵/味方」議論は危うい 石川智也 朝日新聞記者 今年も8月がやってきた。 戦争や平和にまつわる言論や報道が集中する季節だが、戦後77年目の今夏の様相がここ数年と異なるのは、言うまでもなく、ロシアによるウクライナ侵攻が起きたことによる。 職場やお茶の間、友人たちとの会話にも戦況や兵器の話題が飛び交い、政治家は勇ましい口調で防衛力強化や敵基地攻撃能力、はたまた核共有に前のめりの発言を繰り返す。 軍事や安全保障の議論が「日常」化する異様な状況下で、他国から侵略された際に私たちはどう向き合うべきか、という根源的な問いもあらためて持ち上がった。 これに対して、武力による徹底抗戦ではなく、占領を座視して受け入れるのでもなく、非暴力・不服従による抵抗こそが最も有効なのではないか、そう問題提

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  • 渡辺祐真/スケザネ『物語のカギ』は、「いかに楽しく読むか」の参考書 - 大槻慎二|論座アーカイブ

    渡辺祐真/スケザネ『物語のカギ』は、「いかに楽しく読むか」の参考書 新たな“書評家”によるリベラルアーツとしての物語論 大槻慎二 編集者、田畑書店社主 書評系YouTuberとして登場し、あれよあれよという間に文芸批評の表舞台に躍り出た書評家、「スケザネ」という通称をもつ渡辺祐真の初めての著書が出た。 『物語のカギ』というタイトルだが、〈「読む」が10倍楽しくなる38のヒント〉という副題が付され、同じく数少ない若手書評家、三宅香帆の『女の子の謎を解く』と似たテイストを持った造りで、国文系の老舗出版社である笠間書院としてはこのところニューウェーブともいえる若者向け「売れ線」企画の気概が随所に感じられるだ。 このを繙くにあたって、まずは序章の冒頭にさりげなく置かれた一文を引用してみる。 〈書では物語の楽しみ方について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。/基的には「小説」などの文

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  • 音楽4団体の生稲晃子氏・今井絵理子氏「支援」への疑問と、業界の今後 - 高橋健太郎|論座アーカイブ

    音楽4団体の生稲晃子氏・今井絵理子氏「支援」への疑問と、業界の今後 高橋健太郎 音楽評論家、音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア 参議院選の公示から1週間ほどが過ぎた6月30日、思いがけないニュースが音楽界を揺るがした。日音楽事業者協会(音事協)、日音楽制作者連盟(音制連)、コンサートプロモーターズ協会、日音楽出版社協会の4団体が、自民党から出馬した生稲晃子氏と今井絵理子氏を支援する「決起集会」を開催したのだ。 他業種であれば、業界が「族議員」的な政治家を抱えようとするというのは、特に珍しい光景ではないのかもしれない。だが、音楽界では業界団体が選挙で特定の候補を支援するのは前例がなかった。とりわけ、筆者が驚いたのは、音制連を含む4団体が揃って、それを行ったことだった。 芸能プロダクションを中心とした音事協は、歴史的に自民党との関係が深かったと思われる。元「おニャン子クラブ」

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  • 不平等な現実に抗う〈民主主義〉をめぐって - 古川日出男|論座アーカイブ

    語られない「昨年の今頃は……」 昨年の今頃は東京オリンピックが開催されていた、という話題を自発的に持ち出す人間が、いまのところ私の周囲にはいない。 たった1年前の出来事なのだから、これは意外なことだ。と同時に、街頭演説中に元首相が銃撃されて、殺害されるという出来事があって間もないのだから、東京オリンピック(2021年に開催されたのだが「TOKYO2020」の名称のままだったオリンピック)の大騒ぎなど忘れてしまっても当然だ、と言われると、私もどこかで「そうかもしれないな」と納得する。 そこであえて、どうして昨夏のオリンピックはあれほど騒がれたのだったか? と考えてみる。 それは2020年夏に開催される予定が、コロナ禍で延期されたためだった。その後に日国内でも感染爆発が迫り(あれは新型コロナウイルスの第何波だったのだろう?)、無観客開催が決定されたためだった。 他にもさまざまな要素があったが

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  • 山下達郎『SOFTLY』が聴けない、買えない、伝わらない…… - 印南敦史|論座アーカイブ

    用事があって神戸まで行った先日のこと。新神戸駅まで迎えにきてくれた地元の友人の車に乗ったら、車内には山下達郎の曲がちょうどいいボリュームで流れていた。 「これ、新しいやつだよね?」 「そうです」 いうまでもなく、11年ぶりのオリジナルアルバム『SOFTLY』である。それに気づいたとき、「このアルバムは、人の暮らしのなかに自然に溶け込んでいるんだな」と感じた。ただそれだけの話なのだけれども、私はそれを、理想的な山下達郎作品のあり方だと感じた。どこへ行っても大音量でかかっているというような派手な感じではないが、彼の音楽が確実に、人の生活の一部になっている気がしたからだ。 東京に帰ってから(つまり、発売日から少し経ってしまったのだが)、私も『SOFTLY』を購入した。全15曲中、ドラマ、映画、CMのタイアップ曲が12曲もあるそうだが、テレビドラマを観る習慣がないせいか既聴感はあまりなく、各曲がと

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  • 安倍元首相の不条理な死と漂流のとば口に立つ日本政治~歴史に重く刻まれた参院選 - 三浦瑠麗|論座アーカイブ

    安倍元首相の不条理な死と漂流のとば口に立つ日政治歴史に重く刻まれた参院選 「安倍政治」のレガシーを超えてわれわれがつくっていくしかない未来のゆくえは 三浦瑠麗 国際政治学者・山総合研究所代表 2022年の参議院選挙が、かくも歴史に残る選挙になるとは誰も思わなかっただろう。 投開票日の2日前の7月8日、安倍晋三元総理が容疑者手製の銃で撃たれ、その日のうちに亡くなるという未曽有の暗殺事件は、当初あまり盛り上がらずパッとしなかった参院選を、歴史に重く刻まれるものにした。選挙を戦う多くの陣営に暗(あんうつ)とした気分が漂い、メディアでもさまざまな狼狽(ろうばい)が報じられた。 倚りかかるべき存在が忽然と暴力的に消えて…… ある識者は、凶弾に撃たれ斃れこんだ安倍さんの姿を指して、「政治家の宿業」という言葉が思い浮かんだとした。ある政治家は、長期政権の弊害と言い切り、非難の矛先を自公連立政権に

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  • 『PLAN 75』早川千絵監督に聞く──75歳で生死を選択できる社会とは - 林瑞絵|論座アーカイブ

    『PLAN 75』早川千絵監督に聞く──75歳で生死を選択できる社会とは 「日人はこの制度をすんなりと受け止めると思う」 林瑞絵 フリーライター、映画ジャーナリスト 先のカンヌ国際映画祭(2022年5月17日~28日)で、早川千絵監督がカメラドール(新人監督賞)の特別表彰を受けた話題作『PLAN 75』が、早速日で公開となる。カメラドール関連の賞としては、『萌の朱雀』(1997)の河瀨直美監督以来、実に25年ぶりの受賞だ。同賞の審査員長を務めたペドロ・アルモドバル作品で知られる個性派俳優ロッシ・デ・パルマは、作に心底惚れ込み「今の私たちに必要な作品」と賛辞を贈っている。 映画の舞台は近未来。75歳以上が自身の生死を選択できる制度「プラン 75」が導入される日だ。少子高齢化の解決策として政府が旗振り役となり推進する新制度だが、さして議論の深まりもないままに既成事実化してゆく様子が描か

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  • 『ベイビー・ブローカー』是枝裕和監督に聞く(上)──韓国社会の価値観 - 林瑞絵|論座アーカイブ

    監督は『万引き家族』(2018)で同映画祭の最高賞パルムドールを受賞済みの是枝裕和で、主演は韓国のスター俳優ソン・ガンホ。2019年のパルムドール受賞作である『パラサイト 半地下の家族』の主演俳優でもある。ふたりのアジア映画人による幸福な協働に、カンヌは大いに湧いた。作はガンホに韓国初の最優秀男優賞を授与。韓国では日より一足早く6月8日から公開され、初登場1位を記録している。 是枝監督のもとには、人気俳優のカン・ドンウォン(『新感染半島 ファイナル・ステージ』)、ペ・ドゥナ(『空気人形』)、イ・ジュヨン(『梨泰院クラス』)、そして“K-POP クイーン”の異名を取るシンガーのイ・ジウン(アーティスト名は“IU” )も集まった。さらに撮影のホン・ギョンピョ(『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』)、作曲家のチョン・ジェイル(『パラサイト 半地下の家族』『イカゲーム』)ら、韓国

    『ベイビー・ブローカー』是枝裕和監督に聞く(上)──韓国社会の価値観 - 林瑞絵|論座アーカイブ
  • 『三姉妹』の主演ムン・ソリが語る「既婚女性たちの痛みの共有」 - 二ノ宮金子 |論座アーカイブ

    『ペパーミント・キャンディー』『オアシス』などで知られる韓国の名優、ムン・ソリが、脚にほれ込み、主演のみならずプロデューサーも買って出た『三姉妹』が、6月17日より全国公開される。 別れた夫の借金を返済しながら花屋を営む長女ヒスクは、反抗期の娘、ときおりお金の無心をする元夫に悩まされている。一男一女に恵まれ、高級マンションに引っ越ししたばかりの次女ミヨンは、熱心なキリスト教徒だ。劇作家の三女ミオクは、夫と連れ子と暮らしているがスランプで酒浸りの日々。それぞれに問題を抱える姉妹は、久しぶりに父の誕生日会で顔をそろえるが……。 これは、30代、40代になった既婚女性たちの物語。そこにはロマンスもなければ派手なアクションも登場しない。あるのは家庭崩壊寸前、平穏からはほど遠い日々……。韓国の家父長制度のもとに、しいたげられてきた三姉妹の心に寄り添い、彼女たちが新たな歩みを進めるまでを、丁寧に、丁

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