誰もが青春の思い出の1ページとともにあるラジオの深夜放送。その代名詞ともいえるニッポン放送「オールナイトニッポン」(以下ANN)が55周年を迎えた。ライバル局の名物深夜番組が終了する中、テレビの誕生、そしてネット隆盛のこの時代をどう乗り越えてきたのか。55時間特番(17日午後6時スタート)を前に、音声配信やイベント開催のほか、デジタル展開を積極的に行ってきた経緯を冨山雄一プロデューサー(41)に聞いた。【竹村章】 ◇ ◇ ◇ 1960年代後半。大学紛争の嵐の中、ラジオの深夜放送は黄金時代を迎えた。67年8月にTBSラジオが「パックインミュージック」、同年10月にANN、69年6月には文化放送が「セイ!ヤング」をスタート。これらは“深夜放送御三家”などと呼ばれ、若者から絶大な支持を集める。テレビは普及するものの各家庭のお茶の間に1台。家族だんらんでの視聴に対し、ラジオは個人のメデ