菊池誠という人がいて、一時はてな論壇においてそれなりの存在感を放っていた。 現在では一山いくらのネトウヨおじさん程度にしか認識していない人もいる。もはや過去の人であると断ずる向きもあるだろう。 しかしながら、彼について再考することで、論壇で今も跋扈する科学対非科学という対立軸を新たに捉え直す機会を持てる気がする。 というわけで彼の言説とその評価の変遷を追っていきたい。 菊池誠とは何をしていた人なのか。2000年代後半。ニセ科学批判という社会運動が産声を上げた。 これは、自然科学に関する嘘をエビデンス棍棒で殴打するというシンプルかつ大変に社会的意義のある運動で、その倫理的な正しさからはてな市井で好評を博した。 この運動には様々な人が加わり、皆それぞれの専門分野に関する多種多様な嘘デタラメを殴り倒していた。 また専門分野のない人は、非専門分野に関する言説の妥当性をいかに評価すべきかということに